見出し画像

ドローンの課長(410の小説)


「太陽がいっぱいを知っている人?」

…太陽がいっぱいって何?
太陽って一つでしょ。…

課長は解らない事を平然と言う。

「君達、知らないのかい?
有名なフランス映画。
自慢する訳では無いが、
僕が若い頃あの主演の男優に
似ていたんだぞ。」
と、課長の自慢が始まった。

でも、ここで嫌な顔をすると、
課長に悪い気持ちにさせてしまう。

ここは大人の対応だ
「えっ!課長はフランスの映画俳優に
似ていらっしゃったのですか?」
と、一応肯定し驚きの表情を作る。

「そうだよ。有名なフランスの男優だよ。
君は知らないかい?」

「僕は知らないです。」
と、答えて、課長の反応を待ってみる。

「僕はね、ドロンに似ていたんだぞ。」
と、懐かしむ。
…ドロン?有名俳優?知らないよ…
と、思っている僕に
課長は
「ドロンは女性を虜にしたんだ。
今の僕は5時になったら『ドロン』の男さ
よろしく頼む」
と、5時から男の課長はドローンと消える様に
会社を元気良く後にした。




#毎週ショートショートnote

いいなと思ったら応援しよう!