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ヴェネツィア 急性盲腸炎手術の記録

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2001年3月、私は旅先のヴェネツィアで急性盲腸炎となった。はじめてのイタリア 、はじめての手術入院。毎日が驚きと事件であった。 2021年からちょうど20年前の出来事を、回想録…
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#入院

Day after-抜糸

 自宅療養となった私は、とにかく風呂に入りたかった。だが、抜糸前は禁物。家族に見せた手術…

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吉永陽一
4年前
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Day8-帰国と皇族行事に使用する送迎車

 成田行きMD-11は安定した飛行であった。気がかりなのは先ほどのドイツ語を話す白人中年男性…

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吉永陽一
4年前
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Day8-帰国便は人生初のビジネスクラス 

 ヴェネツィアの空港での出国手続きは、ごっそりと記憶がない。医師から歩かぬようにと言われ…

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吉永陽一
4年前
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Day7-病院食、そして退院へ

 しばらくは紅茶を飲む日々が続いた。術後で体力が落ちているとき、口に入れるのは紅茶だけと…

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吉永陽一
4年前
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Day4,新たな患者と退院交渉

 ある昼下がり、部屋に神父が訪れてきた。誰に呼ばれたわけではなく、どうやら決まった曜日に…

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吉永陽一
4年前
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Day3,入院生活<その2>

 次に病院内の話をしよう。スタンドを入手した私は、部屋内や院内を散歩することにした。病院…

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吉永陽一
4年前
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Day3,入院生活<その1>

 入院生活は単調だ。手術直後までは数時間おきに強烈な出来事が発生していたから、鮮明に記憶していた。変化の乏しい3日目からは、20年経った今となっては記憶も曖昧だ。日付が前後するかもしれないが、覚えている事柄を列記していく。  2日目か3日目の日中、若い女性看護師がきた。ショートカットで小顔の美しい女性。目を見張ったのは容姿である。  身長は170cmの私よりもありそう。メイクはバッチリで、スカート丈は膝上くらい。ほのかに甘い香りもしたような気がする。看護師は飾り気のないイメ

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Day2-病室と隣人

 私が入院している男子大部屋は、5床のベッドが3・2で並ぶ。いや、6床の3・3並びであったか?…

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吉永陽一
4年前
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Day1-暗闇へ、そして起床

「Ha,Ha,Ha…!」  その医師は長電話と同じテンションで私に近づく。「Hello!」だったか「Ci…

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吉永陽一
4年前
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Day1-手術まで

 私は病室で寝ている。大部屋だ。今まで見舞いはあっても入院の経験は無いから、病室にいると…

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吉永陽一
4年前
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Day1-判明と交渉

 窓口の担当者が現れ、救急外来の奥の部屋に通されたのだと思う。看護師が救急担当医師か、身…

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吉永陽一
4年前
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Day1-救急外来

 救急窓口は薄暗い。担当者は一人なのか、窓口は誰もいないときがある。Aさんと妹と窓口付近…

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吉永陽一
4年前
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Day0 -発狂、発症

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吉永陽一
4年前
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Day0 -予兆、最後の晩餐

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