Day1-救急外来

 救急窓口は薄暗い。担当者は一人なのか、窓口は誰もいないときがある。Aさんと妹と窓口付近で並ぶ。患者は私の他に居た気がする。とくに並んでいるそぶりではなく、待合室の席に地元らしき男性が座っていたと思う。
ここは薄気味悪い。薄暗いだけではなく、建物が古いのだろうか。周囲は古くさく、奥の方から「ぴちゃ…ぴちゃ…」と水滴が落ちるような、気持ち悪い音が絶えない。病院と相まって薄気味悪さは倍増だ。
 まるでプレステゲームの”バイオハザード2”で登場する、猛犬ケルベロスのシーンのようだ。あの暗闇から、腐りかけたケルベロスがヨタヨタと現れてきたらどうしよう。こちらは手負いなのだ。そう思うと、薄気味悪さがますます膨らむ。体が辛くなればなるほど、くだらないことが頭に浮かぶ。

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