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自宅療養となった私は、とにかく風呂に入りたかった。だが、抜糸前は禁物。家族に見せた手術…
成田行きMD-11は安定した飛行であった。気がかりなのは先ほどのドイツ語を話す白人中年男性…
ヴェネツィアの空港での出国手続きは、ごっそりと記憶がない。医師から歩かぬようにと言われ…
しばらくは紅茶を飲む日々が続いた。術後で体力が落ちているとき、口に入れるのは紅茶だけと…
ある昼下がり、部屋に神父が訪れてきた。誰に呼ばれたわけではなく、どうやら決まった曜日に…
次に病院内の話をしよう。スタンドを入手した私は、部屋内や院内を散歩することにした。病院…
入院生活は単調だ。手術直後までは数時間おきに強烈な出来事が発生していたから、鮮明に記憶していた。変化の乏しい3日目からは、20年経った今となっては記憶も曖昧だ。日付が前後するかもしれないが、覚えている事柄を列記していく。 2日目か3日目の日中、若い女性看護師がきた。ショートカットで小顔の美しい女性。目を見張ったのは容姿である。 身長は170cmの私よりもありそう。メイクはバッチリで、スカート丈は膝上くらい。ほのかに甘い香りもしたような気がする。看護師は飾り気のないイメ
私が入院している男子大部屋は、5床のベッドが3・2で並ぶ。いや、6床の3・3並びであったか?…
「Ha,Ha,Ha…!」 その医師は長電話と同じテンションで私に近づく。「Hello!」だったか「Ci…
私は病室で寝ている。大部屋だ。今まで見舞いはあっても入院の経験は無いから、病室にいると…
窓口の担当者が現れ、救急外来の奥の部屋に通されたのだと思う。看護師が救急担当医師か、身…
救急窓口は薄暗い。担当者は一人なのか、窓口は誰もいないときがある。Aさんと妹と窓口付近…
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