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今年の畑

庭の一隅で小さいながらも畑をやっています。雪が消えて霜も降りなくなる5月頃から10月頃まで、夏野菜限定です。今はもう雪に覆われています。
中山間地域にある今の家に移る前、大迫の街なかのアパートに暮らしていた時は山あいにある市民体験農園を借りていました。初めの動機は、うまい枝豆を食いたい、というものでした。枝豆は収穫してから茹でるまでの時間が短ければ短いほど美味い、ということを知っていたから。
枝豆の他にも、ナスやミニトマト、オクラ、ササゲなど、毎日畑から取ってくれば家計も助かるし、野菜が実るのが楽しいんですね。
それに、今年はブロッコリーの高騰があり、是非ともブロッコリーを栽培しなければと思っていました。

畑の耕起は雪が消えて雑草が伸び始める前。今年は4月に盛岡で個展をやっていたので、その後でした。遅霜もあるので植え付けなどは5月連休を過ぎてもいいくらいです。
小さな畑なので鍬で耕してもいいのですが、どうしても深くは耕せないので、機械に頼りたい。そこで素人の移住者には二つの道がある。耕運機を買うか、近所の人に頼むか。小さな耕運機でも買えばいいようなものですが、私は向かいの家を訪ねておじさんに頼んでみました。人付き合いの得意ではない私ですが、こういう時に自己完結しない道をとることがいいことなのだと思ってそうします。
おじさんは快く「畑を打って」くれました(田おこしは、「田を打つ」)。

今年の作物は、ナス、ミニトマト、ししとう、オクラ、ササゲ(いんげんまめ)、ブロッコリー、カボチャ、ジャガイモ、サツマイモ…でした(少ないな)。

夏の間は99%野菜炒めしか食べていないのでそのための野菜で、しかも手がかからないもの。
ナスは基本。ミニトマトはトマトより楽で食べる時も切らなくていいから楽。
ししとうは「あまとう美人」という辛くない品種で、だいぶ前に葛巻町の産直で買って食べてうまかったのが、苗で出回るようになったので育てるようになったがどうも葛巻で買った味には及ばないと思っているもの。オクラ、ササゲは虫もつかずどんどんなるので優秀です。カボチャは放置しておけばいいので楽。イモも同様。
今年は出かけることが多かったので、枝豆はやりませんでした(収穫期が一度に集中し、留守にして時機を逃すと後悔する)。去年作ったゴーヤは、大量に実って余したけどこのあたりの人は食べないので貰ってくれず、また利尿作用が高く登山中に頻尿となり困ったので今年は無し。

無精なので草取りもあまりせず、盛夏には草むらになってしまいます。除草剤は使いません。外から見ると多分畑をやってるようには見えないでしょう。

葉物は虫との闘いとなり、覆ったり囲ったり薬をかけたり、過去の経験から大変なのでやっていませんでしたが、今年は前述の理由でブロッコリーを植えました(ブロッコリーは葉を食べるわけではないがキャベツの仲間なので葉物扱い)。
昔、市民農園でやったときはそんなに大変じゃなかった気がした。

で、どうなったかというと、はじめは不織布のトンネルの中で順調に育っていたのですが、だんだんに伸びてきてトンネルにつっかえた。
で、トンネルを外してみたらあっという間に青虫がついてボロボロになり終了(農薬不使用)。

無惨
あちゃー
せっかくの蕾も黄色くなってしまった。まずそう。

この時、一つの株に30匹くらいモンシロチョウの幼虫がついていてドン引きしました(あるコロナ禍の冬、買ってきた小松菜についていたモンシロチョウの幼虫を冬越しさせて春に羽化させたことがあり、あの時助けた青虫とどう違うのかと思ったら退治できなかった)。
その頃スーパーではブロッコリーの価格が200円台に下がっていたのでもういいかと…

他の野菜は出だしは育ちがイマイチでしたがだんだんよくなりました。
ミニトマトは去年は全然だめ(よそでもトマトは不作)でしたが、今年はよかった。オクラも葉っぱが伸びないわりによく光合成できるなあというくらいパカパカ実りました。

毎日これくらいでちょうどいい
ミニトマト数種

しかし、カボチャが…

初めて葉をシカに食われた。うちの周りにはもう数年前からニホンジカが出ていて、ここいらの田んぼや畑は電気柵に囲われています。私は電柵にお金をかけるほどの畑はやっていないし、今までシカに作物を食われたことはなかった。草むらになっているのでシカにも畑と認識されていなかったのだと思う。それが今年初めて食われた。これを見つけた時は、早池峰山の植物にシカの食痕を発見した時(筆者の別ブログ)よりショックだった。やはり私有財産を侵されると他人事ではないと思うんでしょうな。さっそくピンクのテープで簡易的に囲いました。その後は入られませんでした。

ブルーベリーは大豊作で、これはシカには絶対食わせたくないので前から囲ってあった。
3日おきにこれくらい採れれば十分


さて、ブロッコリーにブッコロリーと札をつけて売っていた、町にたった一軒のスーパーは春先に経営が変わり、大手チェーンの傘下となりました。
そうすると、隣のドラッグストアとの価格競争をするようになり、また品揃えも変わり、物が買いやすくなった。私はいい変化だと思っています。
思えば、あの「ブッコロリー事変」は経営の行き詰まりによるストレスがもたらしたものだったのかもしれない。店員(店長?)はどうにも何かをブッコロリたかったのだろう…

いつも、苛烈な人口減少が続くこの町にただ一軒のスーパーが無くならないことを祈っています。じゃあ、やっぱりブロッコリーは自前で育てるよりそこで買った方がいいのか。しかしまた価格が上昇しているのでしばらく前から買えなくなっている。
どのみちすでに真っ白に覆われた畑では来年まで何も採れないので、スーパーへ行くしかありません。
半年間続く、厳しい北東北の冬です。

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