『川の輝き』 詩とちいさなお話
『川の輝き』
橋を渡ると
車の窓から川が見えた
緩やかな曲線を描いて
美しく輝く川が
はじまりもおわりもわからないその水面
何かに導かれるままゆったりと
西日の中で微笑み放つ
走り出した車の窓から
どんどん川は小さくなる
水面の輝きもだんだんと
景色の中に薄れゆく
2023.5.21
車が橋の上を走っていた時でした。
左手に綺麗な曲線を描いて流れる川が見えました。
この川はどこで生まれたのだろう。
そしてどこへ行くのだろう。
どんな川と出会い、どこへ流れていくのだろう……
こんなことが一瞬にして頭に浮かびました。
その間にも川は流れ続けます。
太陽に見守られている、この瞬間の幸せを表現するかのように、美しい輝きを放っていたのです。
夕焼け空の下、車は橋を進み、だんだんと川の姿は小さくなっていきました。
でも、きらきらと喜びを表現する川の姿は、いつまでも景色の一部となって、輝きつづけていました。
私もこんな風に生きてみたい。
今の喜びを全身で受け止めて、表現できる、そんな人間になりたい。
五月の夕暮れ時、川の輝きがこんなことを私に教えてくれました。
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