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Water, is taught by thirst.


Water, is taught by thirst.
Land — by the Oceans passed.
Transport — by throe —
Peace — by its battles told —
Love, by Memorial Mold —
Birds, by the Snow.


水はのどの渇きが教えてくれる
陸は超えてきた海が
歓喜は苦悩が
平和は争いの歴史が
愛は思い出の品が
鳥は、雪が教えてくれる


炎天の下、
友人と川沿いの道を散歩しました。
暑さに言葉少なになりながらも、
かれこれ一時間くらい歩き、
たどり着いた町のファミレスで、
ほうほうの体で、
ドリンクバーを頼むまでの時間すらもどかしく、
氷を入れたグラスに注いだ水。

あの水のうまさったらなかった。


水はのどの渇きが教えてくれる


たしかに、
水のありがたさを教えてくれるのは、水ではない。

今まで知っていたはずの水というものが、
ほんとうはこういうものだったとは。

欠落はときに、
そんな驚きに満ちた気付きを与えてくれます。

シンプルな文の短い詩ですが、
とても好きな詩です。

水と渇き、
陸と海、
……

ふたつの言葉の大きな隔たりに、
想像の翼が広がり、
イメージが飛翔する。

自分が今いる場所がどこなのか、
束の間忘れてしまいます。

どんな場所、
どんな人を想像するかは人それぞれと思いますが、
自分の日常、
身近な人間関係を超えた、
遠くを想像させる点はこの詩の持つ本質的な力であって、
そこは同じではないか、と思いました。

ちなみに僕は、
Transport — by throe—
のところはベートーヴェンをイメージしてました。

ラスト1行のずらしというか、
一瞬、?
と思わせるこのオチは余韻たっぷりの鳥肌ものです。


『THE COMPLETE POEMS OF EMILY DICHINSON』
THOMAS H . JOHNSON, EDITOR

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