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午前3時の月明かり。 満月の光は、昼間の太陽よりはるかに明るかった。視界の端に、極楽鳥の…
真昼の空から砂漠の砂が 夜闇の木漏れ日抜けていく 空の一等端のあそこに 空いた無数のあの穴…
先生、もうずっと視界が藍色なんです、先生。 あ、いや、灰色じゃないんです、あの清々しいよ…
子うさぎがその小さな爪の中で歯車を飼うように、僕はケロイドの中で黄金虫を飼っている。 …
あぁ、どうも。随分と久方ぶりだねえ、調子はどうだい?睡眠は?まぁまぁ、か、そうか。 眠る…
午前5:20、白くなった空と液晶の青い光が網膜を刺す。 途端、後頭部から背骨の途中までぱっく…
所詮世界なんぞというものは、各々の脳内で完結しているものなのだ。私自身の思う、万物の価値も、生死の概念、個体としての意識まで、結果のところ私の脳内にしか存在し得ないのである。 そうして、あれだよ。あれ。 君の思う青色は、私の見る青色と本当に同一であるか。光源から放たれた光が反射し、脳で見る色は、寸分の違いなく君と共有できているか。 各々の目が、脳が見る色は、実際のところ全くもってぐちゃぐちゃで、君思う青は、私の思う橙であったりはしないか。 それが人間が人間である故
割れた爪で文字を打つ。 爪に傷が生じていたのは、かなり前から気付いていたものの、直す道具…
幼少の無邪気さを持って、道端の虫を捕まえる。 捕まえたのち、解体するバッタ、踏み潰す蟻、…
幻惑思惑で陶酔に落ちる 昨夜の夢は青い色 今日の夢は恐らく赤い 新緑の原子 結合の崩壊する事…
ある雨の日に、養殖の青い観賞魚を買った。 2日前の昼間、不意に思い立って、17時15分の電車…
彼の目が綺麗だったので、私の人生の中の一晩をあげる事にした。 なし崩しでもなく、向こうか…