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葬送

右目の端に一瞬の白い光が映る 暴発した兵器のような 柔らかい木漏れ日のような 疲弊し切った…

m.
1か月前
6

氷の細胞

細胞が腫れ上がって 無駄な熱を得て痛むので 貧相な身体を構築する あまりに小さなそれらの中…

m.
1か月前
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毛皮を纏う液体

世界が巨大な冷凍庫に様変わりしてしまった。 入れ小細工の様に、小さなシェルターの様に、こ…

m.
1年前
10

落下

特に理由はなかった。 これと言って何かあった訳でもなかった。 唯、街に数個しか無い高層ビ…

m.
2年前
6

スイカズラ

走馬灯のような夜だった。 まるで、走馬灯のような夜だった。 背の高い建物は何もないのに、…

m.
2年前
4

雨の合図

青々とした空、一輪の雲さえない青空。 その空の隅っこに、薄青色のリボンが結ばれている。 も…

m.
2年前
3

ラズベリーのゼリー

合成されたチェリー味のキャンディで 舌が赤く染まってベタついている。 少し前から、鈍色の雲に 空が覆われ始めていて、 もし、雨が降り始めたら、 雨粒の間引きをしなきゃいけないな とどうしようもなく気怠い頭で ぼんやり思う。 雨垂れを間引きし終えたら、 冷蔵庫に入れたままの、 ラズベリーゼリーでも食べよう と決め込み 仕事にかかる準備をする。 ぬるい風と雨の匂い、不快な湿度の中で 雨垂れを少しずつ間引きする 雨粒の優劣は間引かれて 人は間引かれなくなったのは なんだか不公

シェルター

雨粒が、やけに酷く音を立てて 窓硝子を何度も叩くので 重い脳を無理矢理持ち上げ 完全遮光の…

m.
2年前
6

雨の街

鈴蘭の街灯がぼんやりと、雨に濡れた寂れた街を、憐れむように照らしている。 通りには人影は…

m.
2年前
4

オートマチック

ニオイスミレの居住地で 川縁の白線の如きナルキッソス 水面映る細胞と水面浮かぶ細胞へ 倒錯…

m.
2年前
3

静寂

キンとした幻聴 無色の音 限りなく黒く 限りなく白い 午前四時半 朝刊配達のバイク いつもな…

m.
2年前
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解剖図

言葉の解剖手術をしませう 落書きだらけの穴だらけ 酷く古びたトタンのその 数センチ下に捨て…

m.
2年前
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冬の鱗粉

冬が世界を白く凝固させている。 灰色に分厚く塗り固められた空に、刺すように吹く風も、靴底…

m.
2年前
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朝露の硝子

その朝、窓辺に神は不在だった 神の不在によって、愛の存在が証明された 愛の存在によって、死の匂いが濃度を増した さようなら さようなら さようなら 三度繰り返し 小さな痛みで割れた唇に気付く 薄灯の部屋、汚れた天井から 小さな秋花が降り注いでいた 花が散った 花が散った 花が散った 数度目を瞬いて 恐ろしく早い時間の経過を知る 爛れた口内で、もう一度さようならを紡いだ 朝露に濡れた露草が足に触れる 爪先はひどく、冷たく、青い 沈黙によって構成された空間で 薄紅色の