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右目の端に一瞬の白い光が映る 暴発した兵器のような 柔らかい木漏れ日のような 疲弊し切った…
細胞が腫れ上がって 無駄な熱を得て痛むので 貧相な身体を構築する あまりに小さなそれらの中…
特に理由はなかった。 これと言って何かあった訳でもなかった。 唯、街に数個しか無い高層ビ…
合成されたチェリー味のキャンディで 舌が赤く染まってベタついている。 少し前から、鈍色の…
雨粒が、やけに酷く音を立てて 窓硝子を何度も叩くので 重い脳を無理矢理持ち上げ 完全遮光の…
冬が世界を白く凝固させている。 灰色に分厚く塗り固められた空に、刺すように吹く風も、靴底…
その朝、窓辺に神は不在だった 神の不在によって、愛の存在が証明された 愛の存在によって、死の匂いが濃度を増した さようなら さようなら さようなら 三度繰り返し 小さな痛みで割れた唇に気付く 薄灯の部屋、汚れた天井から 小さな秋花が降り注いでいた 花が散った 花が散った 花が散った 数度目を瞬いて 恐ろしく早い時間の経過を知る 爛れた口内で、もう一度さようならを紡いだ 朝露に濡れた露草が足に触れる 爪先はひどく、冷たく、青い 沈黙によって構成された空間で 薄紅色の
彼が彼女を見ていた。 彼女は彼を見ていた。 彼は、彼の目から見た彼女が、確かにそこに在る…
音の多い場所が嫌いで、人の多い場所も、色彩の多い場所も嫌いだ。情報処理に疎い脳味噌が何も…
幼少の無邪気さを持って、道端の虫を捕まえる。 捕まえたのち、解体するバッタ、踏み潰す蟻、…
幻惑思惑で陶酔に落ちる 昨夜の夢は青い色 今日の夢は恐らく赤い 新緑の原子 結合の崩壊する事…