青い鳥は遠くにいない。『パリの国連で夢を食う。』川内有緒
第16回開高健ノンフィクション賞受賞作の『空をゆく巨人』を書かれた河内さん。初めて見るお名前だったので、検索してみたときに気になった一冊。想像通りにおもしろかった!
著者が、ひょんなことから就職することになった国連。世界各国から優秀な人たちが集まる。でも、多様な文化を尊重しようとすると、まとまる話もまとまらない。そして、行き違いをなくすために、超書類主義の官僚主義。近年では予算も人手も足りない。世界各地の現場の問題を解決するはずなのに、仕事をするのはパリ。効率とは無縁の伝統都市。
理想と現実のギャップでやめていく人たちが大勢いる一方で、正規の職員になったら待遇がいいので、なり手には事欠かない。一歩間違えば、批判オンリーになりそうだけど、著者はそれをおもしろおかしく書いているところがいい。
そして、退職記念につくったビデオというか、自主映画のBGMはクイーンの「Don't Stop me now」
多分、書きたいけど書いていないことも山程あるんだろうと想像しながら、著者のような人ではなく、真面目一筋で国連で働いてる日本人のスタッフさんにもインタビューしたらおもしろそうだなあと思いながら読んだ。
そして、本書の中の名言。
「フランスでは、規則は努力目標」
かなり、笑ったw