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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#氷室冴子

祝、復刊!『銀の海 金の大地』氷室冴子

学生時代の私を支えてくれた物語。古代4世紀半ばの畿内が主な舞台で、古事記にある「狭穂毘古…

夕遊
3週間前
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密やかで美しい短編集。『約束された移動』小川洋子

誰かの読んだ本を追いかけることを「古風な愛」と言ったのは、氷室冴子さんの『さようならアル…

夕遊
1年前
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まさか番外編があるなんて!『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ』氷室冴子

数年に1度、氷室冴子さんの作品に浸りたい時期がやってきます。そんなとき、ついでにネットで…

夕遊
2年前
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私たちが愛した永遠の青春小説作家『氷室冴子』KAWADE夢ムック

2018年、氷室冴子さんの没後10周年を記念して、なつかしの『なんて素敵にジャパネスク』…

夕遊
2年前
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古代史をガッチリ楽しめるファンタジー『銀の海 金の大地』氷室冴子

中学時代に発見した氷室冴子作品。高校時代以降、ずっとリアルタイムで読んでいました。20代…

夕遊
2年前
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少女小説が売れた時代。『コバルト風雲録』久美沙織

久美沙織さんといえば、私の中では『丘の家のミッキー』。めるへんめーかーさんのイラストが印…

夕遊
3年前
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青春の理想と現実は、あたり前だけど違います。氷室冴子『アグネス白書』

娘に氷室冴子さんの『クララ白書』を勧めた結果、自分が再度読みたくなって、シリーズを一気読み。懐かしい気分に浸っています。 続編の『アグネス白書』がコバルト文庫で出たのは1982年とか。ちょうど中学生の頃。自分の気持ちを上手く言葉に表現できず、持て余していた思春期をなんとか乗り越えられたのは、氷室冴子さんの作品があったからです。反抗期&中二病の沼の底で、誰にも頼まれないのに勝手にもがいていた私ですが、氷室さんの作品を読むと、現実を少し忘れて楽になれました。 今回、手にしたの

高知弁のリズムが好きです。『海がきこえる』『アイがあるから』氷室冴子

主人公は拓という男の子。そして、親友でしっかり者の松野君。東京の進学校から転校してきた美…

夕遊
3年前
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青春時代の思い出の作品。『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子

とあるウェブメディアで、コバルト文庫の80年代投票やっているようです。私の場合、氷室冴子…

夕遊
3年前
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こんな高校生活にあこがれました。『恋する女たち』氷室冴子

主人公の吉岡多佳子には、2人の変な友人がいます。美人なくせに、何かというとすぐ自分の葬式…

夕遊
3年前
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女として生きるということ。『いっぱしの女』氷室冴子

ときどきやってくる氷室冴子読みたい症候群。今回は小説ではなく、エッセイの方を選んでみまし…

夕遊
3年前
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青春ラブコメ3部作。『なぎさボーイ』『多恵子ガール』『北里マドンナ』氷室冴子

 “男はすべからく泰然と構える”のが理想の俺なのに、体は小づくり、しかも女顔、とどめが名…

夕遊
3年前
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こんな学生時代を送りたかった。『クララ白書』『アグネス白書』氷室冴子

『クララ白書』、そして『クララ白書ぱーとⅡ』は、氷室冴子さんの出世作。主人公の桂木しのぶ…

夕遊
3年前
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古代のロマンスとまつりごと。『隼別王子の叛乱』田辺聖子

田辺聖子女史が、仁徳天皇陵出土と伝えられる埴輪の女子首から『古事記』幻想をふくらませ、恋愛と政治をからめたロマンあふれる小説に仕上げたそという本書。(写真は、以下のサイトで) 仁徳天皇陵は結構近いので、本書に出てくる耳原(みみはら)なんかの地名が、とても身近に感じられます。聞き慣れた地名ってだけで、想像力をかきたてられやすいですね。逆に、慣れない地名は、漢字の字面だけで想像するしかないのが結構つらかったりします。 余談ですが、仁徳天皇のいたとされている時代と、前方後円墳の