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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#ノンフィクション

中国の恐竜事情がおもしろい。『恐竜大陸中国』安田峰俊(田中康平監修)

子どもにとって、恐竜の話題はいつだって人気コンテンツ。夏休み限定だった番組が、先生たちの…

夕遊
5か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
11か月前
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移民焼き畑国家、日本『「低度」外国人材』安田峰俊

安定の安田峰俊さんのノンフィクション。悪名高い「技能実習制度」で騙されて、日本に来てひど…

夕遊
2年前
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難民、遺民、抵抗者。 国と国の境界線に立つ人々『境界の民』安田峰俊

一気に読める、読ませる本です。著者の安田さんは、大昔のblogの時代から文章がうまかったです…

夕遊
1年前
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ラストエンペラーの物語。『溥儀』入江 曜子

人生で3度皇帝になった溥儀(ふぎ)。そして、人生の後半は「一般人民」として生きることを強…

夕遊
2年前
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リアルな海賊たちのお話。『南海の軍閥 甘志遠 日中戦争下の香港・マカオ』蒲豊彦

日本占領下の香港で「南海一の海賊の親分」の異名をとった甘志遠。彼が戦後、書き残した『自伝…

夕遊
2年前
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「天安門事件」から香港デモへ『八九六四』完全版、安田峰俊

ゴルバチョフのペレストロイカがあって、ベルリンの壁が崩れて、社会主義の国は多くが別の体制をとるようになりました。けれど、中国は中華人民共和国のまま、中国共産党の体制が続いています。1989年の6月4日におきた天安門事件について、50才以上の日本人は山ほどTVや新聞のニュースを見たせいで、大体知っていますが、若い人は知りません。 中国でもそれは同じで、若い人は天安門事件なんて知りません。そして、知っていても話しません。なぜなら、中国では天安門事件はタブーで、「なかったこと」に

宮大工さんたちの近代。『飛天の夢 古寺再興』長尾三郎

先日読んだ『薬師寺再興』がおもしろかったのですが、どうやら本書『飛天の夢 古寺再興』が先…

夕遊
2年前
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古くて新しいお寺の話。『薬師寺再興』寺沢龍

薬師寺は1300年の歴史を持つ古いお寺です。でも、長い歴史の中で、あたりまえですが創建当…

夕遊
2年前
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「世界の工場」だった頃の中国のお話。『中国貧困絶望工場』アレクサンドラ・ハーニー

元フィナンシャル・タイムズの中国特派員が、「世界の工場」の中心部、中国広東省のいくつかの…

夕遊
2年前
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子どもたちは巣立っていく。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』2、ブレ…

先日読んだ、ブレディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』がすごくよ…

夕遊
2年前
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三丁目の夕日のあとの小説たち。『日本の同時代小説』斎藤美奈子

明治大正の小説の歴史を知りたいなら、中村光夫『日本の近代小説』。同じ中村さんの『日本の現…

夕遊
2年前
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マンデラと南アフリカの闘い。『インヴィクタス 負けざる者たち』ジョン・カーリン

映画『インヴィクタス』の原作。タイトルは『PLAYING THE ENEMY: Nelson Mandela and the GAME…

夕遊
2年前
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最後の貴族たちへのレクイエム。『嵐を生きた中国知識人』章詒和

サブタイトルは、「右派」章伯鈞をめぐる人々。 中華民国の時代は、少し前までは中国国民党とそのトップだった蒋介石の独裁政治と言われていたけれど、研究が進んだ現在は、蒋介石でもまとめきれなかった中国政治の複雑さや、中国共産党以外にのいろんな人達が、いろんな政治思想を持って、活躍したことがわかっています。 民主諸党派といわれる人たちも、そういう大勢の中の1つのグループ。作者の章詒和は、章伯鈞の娘で、父親が民主主義をめざして中国国民党の政治を批判して、中華人民共和国成立に貢献しまし