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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#女性の生き方

ノスタルジー上海。『長恨歌』王安憶(飯塚容訳)

予備知識ゼロで手に取った、王安憶の長編『長恨歌』。白居易の『長恨歌』と同じ名前の現代小説…

夕遊
9か月前
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傷ついたからこそ、美しく輝く。台湾ドラマ『茶金 ゴールドリーフ』2021年

出張先の夜に一気見。評判以上のすばらしいドラマでした。植民地時代の日本語、台湾の人たちの…

夕遊
1年前
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中華ファンタジー・ロボットSF『鋼鉄紅女』シーラン・ジェイ・ジャオ(中原尚哉訳)

中国の歴史に多少知識がある人なら、武則天と、李世民と、朱元璋と、諸葛亮と司馬懿に安禄山ま…

夕遊
1年前
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弁理士というお仕事。『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』南原詠

お仕事ものは大好きです。それがちょっと変わった職業で、女性たちが活躍する話はもっと好きで…

夕遊
1年前
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中国の宮廷ドラマをもっと楽しむために。『東アジアの後宮』(伴瀬明美・稲田奈津子・…

最近、中国の宮廷ドラマが日本でも気軽に見れるようになりましたが、そもそもどのくらいフィク…

夕遊
1年前
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いい批評はいい紹介。『文学は予言する』鴻巣友季子

読み応えある鴻巣友季子さんの本。たくさんの海外の小説を読んで、翻訳されてきた方なので、話…

夕遊
1年前
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小気味よいポップな映画&小説批評。『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』北村紗衣

北村先生の文章はおもしろいから好きです。そもそも、タイトルからして「フェミニストの鍵貸します」とか、「時をかけるヒロインたち」とか、読む前からわくわくするので。なにかのきっかけで目についたら、必ず読んでいます。 この本は、北村先生が雑誌やブログのために書いていたものばかりなので、他の本に比べて新しい作品が多くて読みやすいです。そして、北村先生の個人的な好みがストレートに出ているのもいいです。あと、「自分は友だちがいない」とか「戦うことに躊躇ない」と言い切れる性格はすごくうら

書かれた女学生と書く女学生の百年。『少女中国』濱田麻矢

アニメにも実写にもなった『ムーラン』(木蘭)。彼女は中華圏では戦う少女のアイコンだけれど…

夕遊
1年前
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日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
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闘いはピッチとその外にもあり。『女子サッカー140年史』スザンヌ・ラック

先日、娘と見たフランス映画『クイーンズ・フィールド』。フランスの田舎のクラブチームが全員…

夕遊
1年前
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ニンゲン、いろんなカタチがあるはずなのに。『男女という制度7』(21世紀文学の創造…

執筆者は9人。川上弘美さん、大塚ひかりさん、佐々木由香さん、藤野千夜さん、小倉千加子さん…

夕遊
2年前
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私たちが愛した永遠の青春小説作家『氷室冴子』KAWADE夢ムック

2018年、氷室冴子さんの没後10周年を記念して、なつかしの『なんて素敵にジャパネスク』…

夕遊
2年前
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日本女性の百年をふりかえる。『モダンガール論』斎藤美奈子

斎藤美奈子さんは、女の子には出世の道が二つあるといいます。それは、立派な職業人になること…

夕遊
2年前
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解説文を批評する!?『文庫解説ワンダーランド』斎藤美奈子

仕事が忙しい時期は、仕事の書類と並行して、ダラダラ読める本がうれしいです。その本は、ライトな文体でも中身がそれなりにあるとうれしい。 というわけで、斎藤美奈子さんの本を入手。以前愛読していた時期からかなりたっているせいか、文章は少し毒が減って、ちょっとマイルドな文体になっているような。でもおもしろさは相変わらずでうれしいです。 そして、今回も着眼点がすばらしい。ハードカバーから文庫化されるとき、追加される巻末解説は、作者をよく知る人だったり、同業者だったり、全く門外漢だっ