木もれ陽みたいなやさしい小説。『博士の愛した数式』小川洋子
何年も前に読んだ本で、映画も見ました。でも、やっぱり原作の小説がすばらしいです。2004年の読売文学賞を受賞したときの、小川さんのユーモアある受賞コメントがすごく印象に残っています。
舞台は岡山。うちも夫方の親戚が岡山なので、このあたりも想像しやすかったです。主人公は、事故で記憶力が「80分しかもたない」老数学者の家に家政婦として派遣された女性。老人は80分たつと、それ以前に話していたことは、すべて忘れてしまいます。毎日、「はじめまして」状態から始まるお付き合いは、今なら『