大河ドラマで見てみたい。『明治を生きた男装の女医 高橋瑞物語』田中ひかる
本書の主人公、高橋瑞(みず)は嘉永5年(1852年)に現在の愛知県で生まれました。父親は西尾藩士。六男三女の末っ子でした。かわいがってくれた父が10歳でなくなると、家督を継いだ長男に養われることになりますが、明治になると西尾藩はなくなります。
瑞は、長兄の子どもたちを世話して婚期を逃し、子どもたちが懐いたので、兄嫁に恨まれます。甥っ子たちの世話をしながら字や算術を覚えた瑞は、漢学を学びたかったけれど許されず、母親を看取ってから家をでます。そこからの瑞の生命力は、とにかくすご