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夕遊の紀実文学・記録片

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映画のドキュメンタリーや書籍のノンフィクションが大好き。実話ベースともまた違う、おもしろさがあります。おすすめです。
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#台湾

モダン都市東京と台湾の近現代を撮った写真家の物語。『南光』朱和之(中村加代子訳)

この小説は、台湾が日本の植民地だった時代から始まります。主人公は、裕福な客家の家に生まれ…

夕遊
4か月前
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日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
2年前
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もうひとつの中国とオリンピック『北緯43度の雪 』河野啓

1971年、中華人民共和国(中国)の国連加盟に反対して、国連から脱退した中華民国(台湾)…

夕遊
4年前
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有名な作家さんとその家族の物語。『星新一 1001話をつくった人』最相葉月

星新一『明治の人物誌』がおもしろかったので、評判の本書も読んでみました。そして、期待通り…

夕遊
3年前
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「天安門事件」から香港デモへ『八九六四』完全版、安田峰俊

ゴルバチョフのペレストロイカがあって、ベルリンの壁が崩れて、社会主義の国は多くが別の体制…

夕遊
2年前
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難民、遺民、抵抗者。 国と国の境界線に立つ人々『境界の民』安田峰俊

一気に読める、読ませる本です。著者の安田さんは、大昔のblogの時代から文章がうまかったです…

夕遊
2年前
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わすれられた台湾詩人たち。ドキュメンタリー映画『日曜日の散歩者 』台湾、2017年。

日清戦争で日本が勝って、領有した台湾。この映画の舞台は、日本の植民地時代が40年近く続いた頃の台南です。今だと、台湾の中心は台北ですが、日本が植民地にするまで、南の台南のほうが文化的だったようで、ここを中心に日本語で創作し、新しい台湾文学を創りだそうとする若い詩人たちが出てきます。 彼らは、モダニズム詩人の団体、「風車詩社」をつくります。日本語で教育を受け、日本留学をしたエリートたち。西欧の近代的なものを、日本経由で受け取った世代です。 日本近代詩の先駆者で、世界的評価を