心躍る歴史冒険サスペンス。『両京十五日』馬伯庸(齊藤正高、泊功訳)
物語の舞台は中国、明の時代。日本でいうと室町時代ごろ。主人公は有名な永楽帝の孫で、皇太子の朱瞻基(しゅせんき)。首都北京から南京へ派遣されたのですが、彼が港に到着したとたん、乗った船が爆破され、事件は起こります。
ここで登場するのが、犯罪人を捕まえる下っ端の役人(捕吏)の呉定縁(ごていえん)。港であやしい人物を捕まえて、役所につき出そうとしたら、なんとそれが皇太子だったというオチ。皇太子と呉定縁を偶然受け入れることになったのが、下級役人の于謙(うけん)。科挙でトップクラスに