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夕遊の中国旅

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中国大陸とその周辺に関連する本や映画の話題を集めてみました。
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記事一覧

『海底に眠るモンゴル来襲』水中考古学の世界(文永の役750年特別展1)

今回の東京行きは、国学院大学博物館もお目当ての1つ。今年は元寇の文永の役から750年。台風…

夕遊
6日前
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モダン都市東京と台湾の近現代を撮った写真家の物語。『南光』朱和之(中村加代子訳)

この小説は、台湾が日本の植民地だった時代から始まります。主人公は、裕福な客家の家に生まれ…

夕遊
1か月前
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中国社会の暗部に挑む男たち。『検察官の遺言(長夜難明)』紫金陳(大久保洋子訳)

中国ドラマの名作『ロング・ナイト』(沈黙的真相)の原作。私は先にドラマを見ているので、ド…

夕遊
1か月前
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楽しい薬膳ティータイム。『基礎薬膳』堺・利晶の杜

タマノイ酢さんがときどき開いてくださる薬膳講座。場所は、堺の利晶の杜。ここは、千利休と与…

夕遊
1か月前
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世界はシステムでつながっている、はずだったけれど。『ハロー・ワールド』藤井太洋

どういう経緯で評判を知ったのか、忘れてしまった頃に入手。読んで驚きました。書いてあること…

夕遊
4年前
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努力と仲間とダンスへの情熱と。映画『熱烈』中国、2023年

元気がでる映画シリーズ第2弾。ダンス(ブレイキン)は全然知りませんが、見ているだけで熱く…

夕遊
2か月前
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映画『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映に行ってきました。

7月下旬から約1ヶ月、ひたすら仕事先と自宅にこもって忙しかったので、お盆頃にはとうとう限界。なにもアウトプットできなくなりました。というわけで、友達を誘ってエネルギー補給。また映画館で見れてうれしいです。 スポーツとかアニメに全く疎い友達を誘ってのデートでしたが、見終わった後、「すごくいい映画だった!」って言ってくれたのでよかった。せっかくなので、原作も超絶プッシュして、感想を聞かせてくれるよう約束しました。今から聞くのが楽しみです。 とかいう私も、実は原作を読んだことな

中国の建物と街並み詳説絵巻『建築知識』2024年7月号

発売前から評判だった専門雑誌を予約購入。中国ドラマや映画をみるときや小説読むときの参考に…

夕遊
3か月前
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今年必読の1冊。『台湾のデモクラシー メディア、選挙、アメリカ』渡辺将人

今年は台湾の選挙イヤー。そのおかげか、昨年、一昨年と台湾関連の良書がたくさん出版されて、…

夕遊
4か月前
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名もなき中国のおばちゃん

「蘇州で日本語学校の送迎バスが襲われた。 日本人の親子が斬りつけられた」 というニュース…

蒼子
4か月前
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新しい世界は闇から始まる。『闇の中国語入門』楊駿驍

「歌は世につれ、世は歌につれ」。それは歌だけでなく、言葉も同じ。新しい言葉ができたり、海…

夕遊
4か月前
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中国の恐竜事情がおもしろい。『恐竜大陸中国』安田峰俊(田中康平監修)

子どもにとって、恐竜の話題はいつだって人気コンテンツ。夏休み限定だった番組が、先生たちの…

夕遊
5か月前
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スリリングでミステリーでおいしい小説は反則『炒飯狙撃手』張國立(玉田誠訳)

狙撃手(スナイパー)のイメージといえば、孤高。人付き合い苦手。無駄なことしない。無口。ス…

夕遊
5か月前
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近現代日本の偽史とオカルト文化『隠された聖徳太子』

ブラジル出身のオリオンさんの聖徳太子本。出る前から、どんな本になるのか楽しみにしていましたが、いきなり『偽史』とは驚きました。戦後最大の偽書事件とされる『東日流外三群誌』がつかみとは、なかなか渋い。聖徳太子の本のオープニングにしてはちょっと変化球(?)。「そこから、来るか~」とわくわくしました。 聖徳太子といえば、とにかく昔から「伝説」が塗り重ねられ、たまねぎの皮のように、剥いても剥いても、なかなか確かなことはわかりにくい。なんせ、古代の人ですから。学生時代、梅原猛の『隠さ