3/9日記「貯金箱の蓋」
今日は引っ越しに備えて部屋掃除。
押入れから遠い親戚のおっちゃんにもらった
貯金箱が出て来た。
少しおっちゃんのことを思い出す。
おっちゃんはよく嘘をついて子供達をからかっていた。
そんなおっちゃんは貯金箱の蓋を作る仕事をしている。
貯金箱の蓋のゴム?の硬さを調整するのが難しいらしい。
僕は小さい頃から貯金箱を渡されては
作った蓋を開けさせられていた。
もうペラペラの柔らかいものもあれば、
力を入れると割れそうなくらい硬いものもあった。
何度も何度も蓋を開けさせられたある日、
貯金箱の蓋の硬さの正解なんてあるのか
とおじさんに尋ねた事がある。
「ちょうど罪悪感が生まれる硬さ」
が正解らしい。
僕は妙に納得したけど、
これも嘘だったかもしれない。