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産地を訪ねて⑤〜幻の型紙、会津型〜
福島県喜多方市。
そこに幻の型紙があった。
江戸時代末期から昭和初期まで100年以上続いていた『会津型』。
着物などの型染めに使う染紙型であり、普段着の柄付けに用いられていた。
会津型の着物は庶民のファッションとして広がり、一度は東北一円に広まり親しまれていた。
明治以降、西洋文化様式への変化により衰退、1935年に一度は途絶えたその歴史。
しかし1982年、およそ50年の時を経て現代に甦る。
その歴史を紡いだのが
会津型研究会会長の冠木昭子さん。
ご縁をいただき
"れんが染織工房"
に伺いました。
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①歴史
染型紙の始まりは伊勢。
江戸時代は独占的に伊勢で作られていたという。
その後大量消費地であった京都、江戸と広がっていった。
喜多方は伊勢から派遣された職人によって始まり、第四の染型紙産地となった。
喜多方での隆盛は染め型紙を作る材料が揃っていたことが非常に大きい。
和紙の産地でもあり、豆柿の産地でもあった。
大正期に最盛期を迎えるも、その後合成染料の輸入と洋服への生活様式の変化により衰退。
昭和10年には型紙制作が終了する。
しかし、転機は突然訪れる。
昭和53年、京都の研究者である志村光広氏より『幻の染型紙会津型』として紹介されたのである。
その後、型紙製作を担っていた小野寺家の蔵の中から37,000点もの型紙や関係資料が見つかった。
染型紙は消耗品である。使用後は破棄されてしまうことが多い。ゆえに後世に残されることはほとんどない。
これほどの数が発見されるのは他に例がないという。
そんな膨大な資料をデジタルデータ化し整理し現代に繋いでいるのが会津型研究会である。
②特徴
素材は和紙を柿渋で染め上げた渋紙。
紋様は馴染みの深い庶民的な柄が多い。
身近な動植物をモチーフとした柄が多く、装飾的というよりは自然の中から取り出されたような表現になっている。
また、他の産地にはみられない『絣(かすり)』を表現した方があるのも特徴である。東北では絣織りがなかったために型染めで絣を表現したのだという。
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これらが全て手で彫られているという。
とても細かい作業。少しでも気を抜くと破れてしまう
芸術。繊細。驚異的な集中力が伺える。
③製作体験
型彫りの体験も。
選んだのは鶴と亀の縁起の良い柄。
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このようにコピー用紙を支部紙の上に当ててその上からなぞるように彫っていく。
基本的には切り彫り。
「下のリノリウムマットは動かさないで型紙を動かすのよ」
とアドバイスをいただく。
最初は慣れていないので余計な力が入る。
少しずつ、丁寧に切り進めていくと向こう側が抜けて見えてくる。
腕が疲れてはくるが着実に完成に近づいてきている実感がまた楽しさを増幅させる。
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『線を彫る時とパーツを彫るときで彫り方のコツが違うのか、、』
『丸っこいところは難しいぞ、、、』
やりながらだんだんとコツを掴んでくる。
一心不乱に夢中で彫り進める。
そして完成の時。
時間が経つのはあっという間。
た、たのしいではないか、、!
「うん、端っこのところもキレイに彫れていてよし!」
「ここにケバケバが残ってる方がいるのよね」
ひとまず合格、だと解釈させていただきます。笑
そしてここからがまた感動。
彫った型紙を用いて染織。今回は和紙に。
フチにしっかりと色を乗せることでくっきりとした絵が浮かび上がる。
『なるほど〜昔はこうやって柄をつけていたのか〜!!』と心の中で大関心。
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塗り重ねることによって濃淡ができる。
色を変えることもできる。
これを幾重にも重ねてカラフルな柄のある着物を生み出せる。
同じようなものを何個も作ることができる。
その一方で、型紙の向きや組み合わせを変えることで無限の柄を生み出せる。
『先人の知恵はすごい!!』
と同時に
"手仕事だからこその個体差が生まれる面白さ"
を感じました。
今はオリジナルカレンダーや年賀はがきなどを作ることもあるそう。
小学校の子どもたちによる型彫り体験の製作カレンダーも見せていただきました。
そういう活動もとっても素敵✨
工房には彫った型紙を額に入れて飾っていました。
うっとり。
家でもやってみよ〜っと。
④おまけ〜自主製作〜
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