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新米母ちゃんの、離乳食に振り回される日々。
0歳児の子育てをする上で避けて通れないのが「離乳食」である。
言葉はもちろん知っていたが、その実態を知ったのはムスメが5ヶ月になりいよいよ離乳食を始めねば、となってからようやくだった。
とりあえず本を数冊購入し読んでみたところ、離乳食というのはその時期によってゴックン期、モグモグ期、カミカミ期、パクパク期の四段階に分かれるらしい。
どの本にも同じ記載があるので、どうやらこれは離乳食の共通言語のようだ。
ゴックン期のはじめには、米を10倍の水で炊いて”10倍がゆ”を作り、それを裏ごしして、さらにそれを湯で伸ばし、1さじから与えるように、と。
思わず「いやいや、それ絶対不味いじゃん」という言葉が口をついて出てしまった。
しかも工程が多い。そして工程の多さと美味しさが全くもって比例していない。そんな料理がこの世に存在するなんて。
他にも「離乳食における『野菜スープ』とは野菜の茹で汁のことです」などと書いてある。
いやいや、それ野菜の質めっちゃ問われるじゃん。
本を少し読んだだけでもたぶん10回くらいは「いやいや」とつっこんでいたと思う。
しかしまあこんなのは序の口で、いざスタートしてみると、離乳食というのは実にツッコミどころが満載だった。
まず、ほうれん草の裏ごしをしようとしても繊維が多すぎて全くこせないし。
皮を湯むきして種を取り除いたトマトってめっちゃ食べるところ少ないし。
オクラは種を全て取り除いたらもはやオクラじゃないし。
「にんじんポタージュ」ってさも料理名のように書いてあるけど作り方が「にんじんをすりつぶして茹で汁でのばす」だし。
果物も、全て加熱してから与えるようにと記載がある。
りんごを加熱するのはまあ分かる。バナナも分かる。いちごもまあ、ギリ分かるとして、え、メロンも?え、じゃあスイカは??
1つ1つ「え、これは?」と思ってはググるの繰り返しだ。
そして一番ハテナだったのは「1さじから」という曖昧な表現。
どの本にも、初めて与える食材は1さじから、と記載があるのだが、文字通りスプーン1さじだと書かれているものもあれば、小さじ1という意味合いで書かれているものもあり。
ここでも「いやいや、1さじと小さじ1って全然違うじゃん」とつっこんでしまった。
そして離乳食というのは、その調理法を知れば知るほど素材がものを言うので、野菜はできるだけ美味しいものをと思い、1個400円とかするトマトを買ったこともあった。(さすがにもったいなくて取り除いた種は私が食べた。たぶん150円分くらいはあったと思っている←)
しかしそれだけ苦労して作っても、初めの頃のムスメは、口をへの字に結び「いいから乳よこせええええええ」ってな感じで「ぎいややややややや!!」と叫んで全然食べなかったので、泣く泣く捨てる日もあった。
幸いしばらくすると慣れてきたのか、ちゃんと口を開けるようになり、りんご以外のものはだいたい美味しそうに食べた。
(納豆も高野豆腐も食べるのに何故かりんごだけは食べさせると絶叫する)
どうにかこうにかゴックン期を過ごし、ぼちぼちモグモグ期(7ヶ月〜8ヶ月)かなという頃にまた本を開いたのだが。
いやレベルアップが急。
つい最近まで「にんじんポタージュ」とかを食べていたのに、急に「ひき肉とほうれん草の煮込みうどん」って。
食材の形や大きさは徐々にステップアップしていきましょう、みたいなことがさらりと書き添えてあるのだが、いやそこを教えてくれよと、やはりつっこまずにはいられない。
***
トライアンドエラーを繰り返しながらモグモグ期と格闘すること数ヶ月。なんだかんだでもうすぐ3回食になる。カミカミ期に突入だ。
カミカミ期はモグモグ期よりもさらにメニューがレベルアップしていて、こんな手の込んだもの大人の食事では作らないんですけど〜というようなレシピばかり。
しかも離乳食を作る→食べさせる→授乳する→片付けるの1セットでなんだかんだ小一時間かかるので、これが3回になったら1日ほとんどご飯食べさせてるじゃん、とも思う。
なあんてごちゃごちゃ言いながらも、わりに楽しく取り組めているのは、ひとえに我が子の可愛さゆえだろう。
最近食欲旺盛な我がムスメは、離乳食をテーブルに並べると歓喜し、大きな口を開けて私がスプーンを運ぶのを待つ。その姿はまるで雛鳥だ。
1さじ頬張るごとに嬉しそうにこちらを見つめるムスメを見るにつけ、この子は生まれながらにして可愛がられる術を身につけているのではないかと思う。(親バカです)
当初はこんな面倒臭がりでルーティーンの嫌いな私に離乳食なんてできるのかと心配していたが「案ずるより産むが易し」とはよく言ったもので、産む前に心配していたことのほとんどは、いざやってしまえば、なんだかんだでそれなりにできている。
我ながら、親になるってすごいなあ...と思わずにはいられない。歩き出したら大変だよな...とかイヤイヤ期ってどうすれば...とか色々考えていたけれど、まあ、きっとたいていのことはこんな感じで、それなりにやっていくのだろうな。
そんなことを考えながら、今宵も私はせっせとトマトの種を取り除いている。