【論語と算盤】#6 「己を責めて人を責めるな」
「己を責めて人を責めるな」というのは、「自分が立とうと思ったら、まず人を立たせてやる。自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる」
この文を聞いて、おっと思える人は、おそらく以前どこかでこれに似た表現を聞いて自分の中に落とし込まれている人だと思います。出来ているかどうかは別として。。。私はいつもこれを思い出して行動を振り返ることにしています。
この言葉の意味は、マネジメントを正しく進める上でも非常に重要な考え方です。私は、マネジメントの本質は「管理」ではなく、チームのメンバーに成果を出させることだと定義しています。「管理」はしくみしかけに任せれば良いのです。
部下やチームを指導する場合でも、リーダーが部下やチームにやらせるのは良いのですが、そこで気づきがあった。自分の価値観が変わった。小さな成果でもどうやれば出るのかがわかった。という自己成長に結びつかなければ誰もやりません。
ここで1つ、壁があります。
皆さん、「やらせる」ということに抵抗を感じていませんか?
最近の心理学を使った研修を受けると、やらせる、強制するというのは良くないことだと考える風潮ができています。しかし、よくよく考えてみてください。子供がみえる方は少なからず子供に何かをさせているはずです。お箸で食べなさい、スプーンで食べなさいのように。
人間というのは自分が体験して良いと思ったことは人にやらせることができます。しかし、その体験も浅い、深いがあり、より深い体験をして考えることをした人の方がなぜそういうことをしないといけないのかの説明ができます。
重要なのは、こうしたらこうなって必ず良くなるからやってみては?ということを相手に伝えたいのです。お節介なのかもしれませんが。。。
しかし、やらせようとしても、やりたくない場合に「してみせて、言って聞かせて、やらせてみる。」という行動をとってみてそれがうまくいかない場合は、自分のやり方にどこか問題があるのかもしれませんし、とてつもなく頑固な人なのかもしれません。
経験がないものは良いかどうかわからない。食べ物も同じです。現代では、UX(User Experience)と言っていますが、昔からこの考え方はあるのですが、教育が知識偏重型になっているので、わざわざ言わなければならないのでしょう。
相手に伝わらないといつもいう方や教える方の問題となりますが、実は、受ける側の態度も重要になってきます。確かに自分ごととして捉えることも必要でしょうが、受ける側が100%受け入れる姿勢がない場合には時間のムダになります。
小さな頃からしつけを受けることで、良い体験をし、自分が成長することを実感できていれば子供は自ら人のいうことを聴こうとします。
この態度ができれていれば大人になっても成長する機会を逃しませんが、この経験がないと成長の機会損失を生み豊かな人生から離れていくかもしれません。
あの人の言うことならやってみようとなっているか。あの人の言うことならやりたくないと思っているかです。
ここで、皆さんが一般的に取る態度が、心理学的なスキルセットを使って相手をその気にさせようとすることです。ここが大きな間違いなのです。これが功を奏せば良いのですが、裏にハマって人望をなくすことにもつながりかねません。
例え、功を奏したとしても、相手の心理を扱う操作をしただけなので、お互いに人間的に成長をしたように見えますが、結果を出すためにコントロールされていただけというのが実態であり、体の良い指示命令なのです。
ここで重要なのはやはりやらせてみて成功体験、失敗体験を積ませることで、成果が出せる人に育てるという、正しいしつけを学ぶことなのではないでしょうか?
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