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塩人【毎週ショートショートnote】
私の幼なじみは顔が良い。スタイルも良い。頭も良くて運動神経も良い。
ご多分に漏れずモテる。
カーストトップの女子グループからは露骨にアピールされ、おとなしいグループの子はチラチラと視線を向ける。
通学電車で他校の女子からLINEを聞かれ、街を歩けばお姉さんたちに声をかけられる。
だが彼は一貫して塩対応だ。声をかけられても目線を合わせないし無表情。
気がつかないふりで無視するなんて日常茶飯事。
返事をするにしても一言。「ムリ」「忙しい」「ダメ」。
そんな「クールなところ」が良いと、余計に価値が上がっている。
ついた渾名は「塩人」。
親しみを込めている女子と、僻んで呼ぶ男子どちらもいる。
「その塩加減、もう少しどうにかならないの?」
幼なじみの私とは普通に話すし、本当は優しい気遣い男子。
今もスッと立ち位置をかえて車道側に移動した。
「俺が甘くなるのはサトにだけって決めてるの」
塩人はニッコリと微笑んで、私にだけは砂糖人になる。
(410文字)
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「塩人」です。
裏お題は「I 魚人」だそうです。
一番最初に思いついたのは、有川浩さんの小説『塩の街』でした。
突然、人が塩になってしまうのです。
自衛隊三部作、好きだったなあ。
マンガ化もしているみたいです。
絵が可愛いですね。
羽根宮は有川さんの作品が好きで、一時期、有川さんの作品ばかり読んでいたことがあります。
初期の頃の作品は読んでいるのですが、最近はあまり読めていないので、チェックしようと思います。
……読書をする時間をもっと作りたい。
最初に思いついたのは『塩の街』でしたが、書いたのは全く関係のないものになりました。
塩対応の反意語は「神対応」な気がしますが、塩人の反意語は「砂糖人」で良いですかね。「糖人」でしょうか。
羽根宮は塩対応されたらシュンとしてしまうので、塩分は隠し味程度でお願いしたいです。甘ちゃんなのです。
読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。
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