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お返し断捨離【毎週ショートショートnote】

「ええ?!あれ、売っちゃったの?!」
リビングに父の大声が響く。
「あれ?売っていいんじゃなかった?」
スマホ上に開かれたフリマアプリを見ながら言う母。
また始まった。
私の両親は物が少ない時代の人で、典型的な物を捨てられない人達。
父の仕事関係で、お中元やお歳暮など多くの頂き物をしていたこともあり、少し前までは家中が物で溢れていた。
兄と私が将来的に物を整理することを思うと気が遠くなり、母にネットフリマの存在と出品の仕方を教え込んだ。
母が初めて出品したのは某アイドルのグッズ。
父の会社のCMで起用されているアイドルで、広告会社がくれたもの。それが出品後数分で売れた。
味を占めた母は次々と家の物を出品するようになり、それが日々の楽しみになった。
ただ、勘違いが多く確認も怠りがちで、父や私のものも勝手に売ってしまうことが増えた。

我慢の限界がきた父は翌日、家の前に母の物を入れた箱を置く。
箱には『ご自由にお持ち下さい』と書かれていた。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加します。
お題は「お返し断捨離」です。

断捨離は大切ですね。はい。
うちは弟と母がメルカリに出品しています。
出品した物の管理をしたり、配送などが苦でなければネットフリマは良いかなと思います。
物が捨てられない母も売るのには抵抗がないようで、自分には不要な物が売れるのが嬉しいようです。
むしろ手間と時間を考えて、自分の時給に合わないと思ったら売らないようなのでその辺はしっかりしています。
そして、全然値段が付かなそうな物も捨てるのには抵抗があるようなので、たまに「TAKE FREE ご自由にお持ち下さい」と書いた箱を、家の前に置いたりしています。

でも間違っても、人の物を断捨離する断捨離合戦にはなってほしくないなあ。
実話だったら家が殺伐としてしまいますね。
……人の物を売ってしまうというのは、まあ、母がやりがちなんですけど。
そこは事実というか、そこから連想して書きましたが。
お返し断捨離をした人はいません。
あと、売られたくない物は、リビングや屋根裏など母が手に届くところには置かないで、自分の部屋に置いておくことを心がけるようになりました。


今までに【毎週ショートショートnote】に参加したものはこちら。


読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。

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羽根宮糸夜
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