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「小説はだれにでも書ける」(連載:宇野千代さん、お話聞かせてください。)
まえがきのようなもの
前回から、宇野千代さんの『行動することが生きることである』をじっくり読む企画を始めて見ました。そのきっかけについては、こちらをご参照ください。
前回の投稿はこちらです。
https://note.com/workingabroad/n/n31ddfd9c6d39
今日の宇野千代さんことば
「小説は誰にでも書ける。それは毎日、ちょっとの時間でも、机の前に坐ることである」これは私が自分で作った格言なのですが、昨日は坐ったが、今日は坐らない、と言うのではなく、毎日、坐っている中に、何か書ける、と言う教えなのです。
ビートルズが知りたくて
ビートルズが好きだ。
中学生の時に、ラジオで聴いてから、15年間ずっとビートルズを聴いてきた。ビートルズが何を歌っているのか、ビートルズが何を語っているのか、知りたかった。だから、英語を勉強した。
自分に正直に言うと、彼らが言っていることや歌っていることが分かったのは、ごく最近のことだ。それまでは、よくわからなかった。
(わかったふりをしていたけれど、本当はよくわかっていなかったのは、ここだけの話だ。)
高校生の時に、オーストラリアに短期留学した。
3週間ホストファミリーにお世話になった。
その時に、ビートルズが1964年に行ったオーストラリアツアーのインタビュー本を買った。書いてあることが、全くわからなかった。
引率の先生に、お願いするとすぐに全部訳してくれた。すごい、かっこいい、羨ましいと思った。こんなふうに理解できたら、楽しいだろうなぁと思った。
それから、英語の勉強は、ほぼ毎日続けた。
といっても、記事を少し読んだり、音楽を聴いたりしていた日もあるから、机の勉強ばかりではないけれど。
それでも、ほぼ毎日続けていたら、少しずつでも、確実にわかるようになってきた。
ぼくは、いわゆる長期留学したことはない。
したいなぁと思ったけど、しなかった。
おそらく、本気でやりたいことには入っていなかったのだろう。
それでも、英語をできるようになって、ビートルズを理解したい気持ちは、中学生のときから変わらなかった。
そんな気持ちを持って、毎日すごしていたら、高校生の時に読んだ、あのインタビュー本が理解できるようになってきた。とっても嬉しかった。
(その結果、昨年に英検一級を取ると言ううれしいおまけもついてきた。)
何が言いたいかというと、宇野さんのアドバイスと同じだったと思ったのだ。それは、シンプルだけど、難しい、現実に向き合う作業だった。でも、それなしで、僕はビートルズの言っていることを理解できるようにはならなかったと思う。
「毎日、ちょっとの時間でも、机の前に坐る」宇野千代さん、自作の格言
「小説は誰にでも書ける。それは毎日、ちょっとの時間でも、机の前に坐ることである」これは私が自分で作った格言なのですが、昨日は坐ったが、今日は坐らない、と言うのではなく、毎日、坐っている中に、何か書ける、と言う教えなのです。
「小説は誰にでも書ける」
そう語る、宇野千代さんのアドバイスは、明確だ。
だれにでもできることを、あたりまえに続けること。毎日座って書くだけ。
うん、これなら確かにできる。
今回の記事で自分の英語学習についての経験を書いた。
楽しい時も、つまらない時もあった、やめてしまおうと思ったこともあった。そんな中でも、とにかく続けて見た。諦めることを諦めて見た。
宇野さんのアドバイスはシンプルだ。
けれども、それが難しいんだよ、という人もいるかも知れない。
そんなことすらできずに、なにかを成し遂げようとするのは、すこしおこがましいのでないか。そんなことを思ったのでした。