お前はまだ本当のポモドーロ・テクニックを知らない
よくある誤解を整理します。
誤解1: 原典や典型を鵜呑みにする
たとえば25-5-4(25分作業、5分休憩、4サイクルごとに大休憩)は有名ですが、この数字は唯一ではありません。
また、作業が捗っているときに休憩が来た場合にどうするか、についても「それでも中断する派」と「そのまま休憩せず続ける派」がありますが、どちらも正しいです。
ポモドーロ・テクニックのやり方は複数あり、適当にカスタマイズしたり使い分けたりすれば良いです。
特にありがちなのが「原典がこう言っているから従う」ですが、別に原典に従う必要はありません(参考にする価値は高いです)。
そもそもの前提として、ポモドーロ・テクニックは、原典の域を越えて多様に広がっています。そこと向き合わず、原典に閉じようとするのは、ただの原典オタクか、自分なりの試行錯誤を放棄した怠け者です。惑わされないでください。
とはいえ、原典は通常よく練られていますから、まずは参考にするのはアリです。公式の書籍やサイトを見ましょう。
ちなみに、ポモドーロという言葉には商標があります。米国ですと、公式の Francesco Cirillo さんがちゃんと取っているようですね。
誤解2: 集中の仕方は他にもあるため、大した価値はない
自分で集中できる人とできない人がいます。後者の人は、人や環境など外部の圧がなければ動けません。
学生症候群という言葉はありますが、これは社会人にも多いものです。8割、いや9割はそうでしょう。だからこそ、技術と方法の頼った現代であってもリモートやアシンクが難しいのです。圧がないと動けないため、対面や会議に頼るしかないのです。
さて、ポモドーロ・テクニックは、この後者の人達が「自分一人でも」比較的集中しやすいものです。
なぜかというと、おそらく以下でしょう:
わかりやすい
「何をどうするか」ではなく「過ごし方」を扱うだけなので、扱いやすい
音が鳴るので気付きやすい
シンプルなテクニックですが、後者の人達からすると画期的な救世主なのです。前者側のアスリートな人達はこれが理解できず、必要性を疑問視しますが、惑わされないでください。
誤解3: 作業時間や休憩時間の記録は取った方がいい
目的によります。
あなたのリズムを可視化・定量化したいのなら取るべき(ついでに言えば、デジタルの方が正確なのでアプリを使うべき)ですし、集中のリズムをつくるためのルーティンとして使いたいなら、記録なんて要りません。
記録を取りたがる記録マニアの声に惑わされないでください。
誤解4: ポモドーロでは「作業」を進める必要がある
違います。
たとえば「内省をしてみる」「本やドキュメントを読む」でも良いし、クリエイターが行うような創造的な仕事をしても良いです。
何するかは問いません。自分に合ったポモドーロ・テクニックを模索すればいいだけの話です。
※模索して見つからなかった、はありえます。また作業的なタスクを進める方が馴染みやすい、というのも多くの人に当てはまるとは思います。
作業をしたがる作業中毒者の声に惑わされないでください。
誤解5: ポモドーロではマルチタスクはできない
いいえ、できます。
そもそもマルチタスクなどというものはありません。マルチタスクとは、単に切り替えが早いだけです。
25分-5分のサイクルを採用した場合、これは30分ごとに切り替えることに等しいです。もし10分くらいで切り替えるマルチタスカーがいるなら、7分-3分のようなサイクルを採用すればいいだけの話です。
ポモドーロ・スタイル
上述のような誤解が生じてしまう理由は、主に二つあります。
1: 正解が唯一である(特に原典)という思い込み
2: ポモドーロ・テクニックが多様に広がっていることを知らない
これを打破するために、仕事術2.0では一つ概念をつくりました。
詳細は以下記事を参照してください。