お前はまだ本当のポモドーロ・テクニックを知らない

よくある誤解を整理します。


誤解1: 原典や典型を鵜呑みにする

たとえば25-5-4(25分作業、5分休憩、4サイクルごとに大休憩)は有名ですが、この数字は唯一ではありません。

また、作業が捗っているときに休憩が来た場合にどうするか、についても「それでも中断する派」と「そのまま休憩せず続ける派」がありますが、どちらも正しいです。

ポモドーロ・テクニックのやり方は複数あり、適当にカスタマイズしたり使い分けたりすれば良いです。


特にありがちなのが「原典がこう言っているから従う」ですが、別に原典に従う必要はありません(参考にする価値は高いです)。

そもそもの前提として、ポモドーロ・テクニックは、原典の域を越えて多様に広がっています。そこと向き合わず、原典に閉じようとするのは、ただの原典オタクか、自分なりの試行錯誤を放棄した怠け者です。惑わされないでください。

とはいえ、原典は通常よく練られていますから、まずは参考にするのはアリです。公式の書籍やサイトを見ましょう。


ちなみに、ポモドーロという言葉には商標があります。米国ですと、公式の Francesco Cirillo さんがちゃんと取っているようですね。

https://tmsearch.uspto.gov/search/search-information, 2024/10/21時点


誤解2: 集中の仕方は他にもあるため、大した価値はない

自分で集中できる人とできない人がいます。後者の人は、人や環境など外部の圧がなければ動けません

学生症候群という言葉はありますが、これは社会人にも多いものです。8割、いや9割はそうでしょう。だからこそ、技術と方法の頼った現代であってもリモートやアシンクが難しいのです。圧がないと動けないため、対面や会議に頼るしかないのです。


さて、ポモドーロ・テクニックは、この後者の人達が「自分一人でも」比較的集中しやすいものです。

なぜかというと、おそらく以下でしょう:

  • わかりやすい

  • 「何をどうするか」ではなく「過ごし方」を扱うだけなので、扱いやすい

  • 音が鳴るので気付きやすい

シンプルなテクニックですが、後者の人達からすると画期的な救世主なのです。前者側のアスリートな人達はこれが理解できず、必要性を疑問視しますが、惑わされないでください。


誤解3: 作業時間や休憩時間の記録は取った方がいい

目的によります。

あなたのリズムを可視化・定量化したいのなら取るべき(ついでに言えば、デジタルの方が正確なのでアプリを使うべき)ですし、集中のリズムをつくるためのルーティンとして使いたいなら、記録なんて要りません。

記録を取りたがる記録マニアの声に惑わされないでください。


誤解4: ポモドーロでは「作業」を進める必要がある

違います。

たとえば「内省をしてみる」「本やドキュメントを読む」でも良いし、クリエイターが行うような創造的な仕事をしても良いです。

何するかは問いません。自分に合ったポモドーロ・テクニックを模索すればいいだけの話です。

※模索して見つからなかった、はありえます。また作業的なタスクを進める方が馴染みやすい、というのも多くの人に当てはまるとは思います。

作業をしたがる作業中毒者の声に惑わされないでください。


誤解5: ポモドーロではマルチタスクはできない

いいえ、できます。

そもそもマルチタスクなどというものはありません。マルチタスクとは、単に切り替えが早いだけです

25分-5分のサイクルを採用した場合、これは30分ごとに切り替えることに等しいです。もし10分くらいで切り替えるマルチタスカーがいるなら、7分-3分のようなサイクルを採用すればいいだけの話です。


ポモドーロ・スタイル

上述のような誤解が生じてしまう理由は、主に二つあります。

  • 1: 正解が唯一である(特に原典)という思い込み

  • 2: ポモドーロ・テクニックが多様に広がっていることを知らない

これを打破するために、仕事術2.0では一つ概念をつくりました。
詳細は以下記事を参照してください。


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