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肌に魔法をかける粉 カネボウミラノコレクション
コスメトークなんてガラじゃあないんですけども。
今日は私が「こいつと生涯添い遂げたい…」と思っている、大好きな化粧品についてうだうだ語ってみたいと思います。
昨年の早春。コロナの野郎のせいで始まったマスク生活にもすっかり馴染んできた頃、私はある不満をくすぶらせて過ごしていた。
それは、「マスクへのファンデーション付着」問題。
例えば仕事中にお茶を飲もうとマスクを外す、すると視界に飛び込んでくる、あちこちベージュオークル色に染まったマスクの内側。これがどうにもストレスだった。いやくっつけてんの自分なんだけども。誰かに見せるもんでもなし、気にしなければいい、薄目で見ればどうということはない……等と自分に言い聞かせるも、どうにもこうにも気になる。マスクに付着したベージュ色を視界の端でとらえる日々が、だんだん辛抱たまらなくなってきたのである。
それである日ふと思いついた。
色を塗らなければいいじゃない、と。
そこで昨年の春から、それまで化粧下地+パウダーファンデだったベースメイクを、日焼け止め+おしろいに切り替えた。ちなみにどちらも、そこらへんのドラッグストアで適当に購入した安物だ。(私の化粧品は基本的に、そこらへんのドラッグストアで安価で調達できるものに限られている)
おかげでマスク汚れからは解放されてストレスは軽減されたものの、暖かくなるにつれて、今度は化粧崩れが気になり始めた。午後になると、よれた粉が顔面のあちこちに張り付いている。これ、なんとかできないもんか。
そしてもうひとつ、ノーファンデで過ごすということは、隠しておきたいあれやこれやを世間様に向けて露呈するということだ。色は塗りたくない。だがしかし、もう少し……気持ち程度でいい!肌をマシな感じに誤魔化してくれるイケ粉(ごな)はないものか。
そこから夜な夜な、世界の頭脳ことGoogle先生での検索を繰り返す日々が始まった。今までほとんど未知の領域だった分野、「色のつかないルーセントパウダー」についてリサーチを重ねてゆく。私は化粧を覚えた20歳の頃からずっとパウダーファンデーション一辺倒だったので、いわゆるお粉というコスメとは無縁の生活だったのだ。
で、辿り着いたのがこれだった。
我が国が誇る化粧品界の権威・カネボウ様が、その叡智を結集してお造りあそばしたというミラノコレクション、通称ミラコレ様。お名前とその御尊顔だけは以前から認識していた。なんなら憧れていた。けれど、手を出すには至っていなかった。何しろこの方ときたら、ソラモー大変にお高くていらっしゃる。貴族のコスメの価格帯だよ。購入=清水の舞台からスピンかけつつ頭からダイヴするくらいの事案だよ。それにルーセントパウダーについては、「ファンデの上にさらに粉をはたくってどういうこと?きなこもちの上に粉砂糖をまぶす的な……?(口の中パッサパサになりそー)」くらいの認識しか持ち合わせておらず、ぶっちゃけどう使ったらいいのか分からなかったのだ。
けれどネット上のレヴューを読み漁ってゆくと、このミラコレ様か、もしくはスノービューティ様(資生堂)がそこかしこで大絶賛されている。特にミラコレ様は、とにかく崩れにくい、なんか肌がいい感じに見える、入れ物がうつくしくて気分が上がる、お高くていらっしゃるけど実は長持ちするからコスパは良い……等々、私の財布の紐を緩めまくるコメントがぞろぞろ出てくる。
2020年6月、私は、
清水の舞台からダイヴすることを決めた。
そしてやってきたミラコレ様(2020年版)。
我が家の女子力の権化・女帝もまっしぐらのキラキラパッケージ。
こんな煌めく化粧品も、こんな高価な化粧品も、購入するのは百億万年ぶりだ。
「あら?かがみのなかに おひめさまがいるわ」
こういう品物はこういうお姫さまにこそ相応しい。私の顔面なんざ、それこそきな粉でもまぶしておけばよろしいのでは?とひとりごちつつ、分不相応を恥じ入りながらさっそく使ってみた。さすがにお高くていらっしゃるだけあって、パウダーの粒子は非常にきめ細やか。付属のパフはふっくらと頼もしい厚みで、肌をすべる感触がどこまでもやさしい。乗せたあとの肌はサラサラになるけれど、決して粉っぽすぎず、きちんと肌にフィットする。使い心地は相当によろしい。
そして使い始めたその日から、自分の肌が明らかに違って見えることに気づいた。
これは先日届いた最新版(2022年版)のものだけれど、ご覧の通り、ほとんど色はない。肌に乗せても、ちょっと白っぽくなる程度。ファンデーションに比べたら、カバー力は雲泥の差……のはずなのに、
どういうわけか、肌がきれいに見えるのだ。
いやこれ百億万年ぶりの高いお買い物だったから、プラシーボ効果だな?と思いつつも、うっかり鏡の中の顔面に見惚れてしまった。色はほぼついていないに等しい、シミだって毛穴だって隠せてない、なのに、なのに、なんでか分からんけどもなんかいい感じに見える……!
そして数多のレヴューが示していた通り、驚くほど崩れない。くしくも季節は梅雨の始め、汗かき大魔神である私は毎日滝のような汗(誇張ではなくマジで)を流して通勤していたにも関わらず、汗をタオルで押さえた後はつけたてのようなサラサラ感をキープ。っていうか塗った直後よりも白っぽさが軽減されて、肌に馴染んでいるではないの!そして、午後になってもほとんどヨレが気にならないではないの!
これは、魔法だ。
使用初日、私はミラコレ様の偉大なる御力に深く頭を垂れ、地面に平伏した。その夜に感謝の御神酒を捧げたことは言うまでもない。
そうして私とミラコレ様の日々は始まったのだけれど、使い始めて数ヶ月過ぎた秋頃から、更なる驚きが待っていた。
義妹ちゃんや親友、職場の同僚といった身近にいる女性たちから、「最近肌きれいになったよね」「さてはなにかひみつ兵器が…?!」と声をかけられることが続いたんである。これには本当にびっくりした。
ここで明記しておきたいのだけれど、私は決して美肌ではありません。むしろ肌には長年コンプレックスを抱えている。今でこそほぼ出なくなったけれど、10代から30代前半までの長い間、常に顔面のどこかしらにはニキビや吹き出物が出ていたし、それらをぶっ潰した(大馬鹿)大罪の痕跡がシミとなってあちこちに点在している。毛穴も目立つ。キメだって決して細やかではない。頬が異様に赤いのも、キッズならともかくアラフォーになった現在はひたすらに恥ずかしい。唯一いいところを挙げるとすれば、皺がないってことくらい……?でもこれは単に、顔がまあるくてパンパンってだけですし……(アンパンマンをイメージしていただきたい)。
ともかく若い頃からずっと、肌を褒められることなんてほぼ無縁だったのだ。それが、よもや、よもや!
そう言われて改めて風呂上がりの顔面を観察してみると、BM(ビフォーミラコレ様)とAM(アフターミラコレ様)とでは、あくまで(※当社比)ではあるものの、肌の状態がよくなっていることに気づいた。
目の周りから頬にかけての、秋になるとみるみる乾燥してくるエリアが、なにやらしっとりとしている。そして年中テカっているデコの油分が、ほどよく落ち着いている。
鼻の横でブイブイ言わせていた毛穴が、なにやら目立たなくなっている。
そして何より、顔全体の肌色が一段トーンアップし、なんとなーく、本当に(※当社比)レベルだけども!なんかシミ、目立たなくなってね……?!
これは、間違いなく魔法だ。
私は額で地面に亀裂を刻印する勢いでミラコレ様に再び平伏し、感謝と尊敬と畏敬の念を込めて御神酒を捧げる宴を催した。この宴は三日三晩続いたと伝わっている……
要するに、ファンデーションの負担がなくなったことにより、肌そのものの状態も上向きになったということなのだろう。今まであれこれ隠したくて試行錯誤を繰り返してきたのに、隠すのを辞めるのが最適解だったってことかい……へっ、へへ……。まったく、お肌ってやつァよう……
ミラコレ様と出会って1年半。相変わらず最低限のアイテムで格安スキンケアを続け、ソロキャンプでバチクソに乾燥したりする日々を過ごしながらも、肌状態は依然として上向き傾向を保っている。開封してから半年はもつ、という評判も嘘ではなかった。真面目にコスパがよろしい。
ちょっとしっかり塗ってる感が欲しい時(改まった席とか、おでかけする時)は、肌色を補正してくれる化粧下地を使ってからミラコレ様を重ねるようにしている。これだけでもうばっちりお化粧した感が……いや、色彩塗装しなくなった自分の顔を見慣れただけかもしれんけど。
私は化粧=ベースメイク+眉毛書き足す+マスカラ、しかやらない民だけれど、コンシーラーとかハイライトとかチークとか使って、アイメイクもしっかりして、口紅も塗って……とやれば、ベースがミラコレ様でもかなりきちんとした感じが出るんではないかと思います。
余談だけれど、私は口紅との相性がバチクソに悪い。何色が合うか分からないとかそういう次元じゃなく、10本塗ったら9本の割合で唇が「やすりかけたの?」ってくらい荒ぶる。きっと前世で口紅になにがしかの不敬をはたらいたのだろう、クレヨンの替わりに落書きに使った的な……。現世ではもう、口紅とのお付き合いは諦めている。
これは、先日届いた最新版。(詰め替えレフィルセット)
今回はまーた一段とゴウジャスな装いである。うつくしい。
ただ……個人的な好みを言わせてもらえるならば、切子ガラスみたいな和風テイストか、あるいはイスラム圏の建築に見られるエキゾチックな幾何学模様とか、そんなバージョンもあったらものすごくものすごくうれしいのになー。
長々と書いてしまったけれど、もしルーセントパウダー難民の方がいらっしゃるならば、ぜひおすすめしたい逸品です。
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