内科病棟
旦那さん 糖尿病網膜症のお話です
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手術の数日前に眼科病棟に移ったが、それまではずっと内科病棟に入院していた。
同部屋には糖尿病の患者さん達ばかりで、ほとんどが糖尿病の「教育入院」の患者さんだった。
「教育入院」とは、糖尿病の治療が必要なレベルの患者さんが食事の指導を受けたり、合併症の恐ろしさを語るビデオを見せられたりして、日々の生活を改めてもらう為の入院の事。
だけど、長年の生活態度を変えると言うのは、そう簡単にはいかないもので。。。
夜中にカップラーメン食べて部屋中、カップラーメンの臭いで充満して看護師さんにバレて怒られるおじさんとか、「甘いものは食べたらダメです!今度食べたら病気を治す意思が無いものとして退院してもらいますよ!!」とキツく言われているのに(おそらく常連)、ヤクルト飲んだのが看護師さんにバレて強制退院させられたおじさんとか、旦那さんから聞かされる話はそんなんばっかりで、旦那さんがかなりの優等生なんじゃないか!と思うくらいで、同部屋の方達はかなりユルユルな感じの皆さんだった。笑
食事の時はベッドではなく、フロアのテーブルまで歩いて行き、皆んなと一緒にそこで食事をしていたそう。手術前とは言えレーザーをバンバン打っていたので目が見えずらい状態なのに、良く歩いて行けたなぁー!と、ホント関心する。
「ベッドまで食事持って来てもらったら?」と言ったら
「いや、いい。」と言って、自らフロアでの食事を選択していた。
これは私の勝手な想像だけど、もしかしたら見えないながらも自分で歩いて移動する練習と言うか、そうは言っても大体の状態はまだ見えるから。と言った思いとかいろいろな気持ちと葛藤しながら、行動していたんじゃないかな。と思った。
ある日、サラダに付けるドレッシングの小袋とパンに付けるジャムの小袋と、似た様な形状の小袋タイプが2種類出た時、どっちがどっちなのか分からず(見えず)、サラダにジャムつけて、パンにドレッシングかけて食べちゃったみたいで、
「間違えた。。まぁ、お腹に入れば一緒さ。」と、そのまま食べてたら、ヒソヒソ声が聞こえてきたらしく、
「◯◯さん、あれ、見えてないんじゃない??」
と、看護師さん達の声が聞こえたらしく、
おそらく、自分の事言ってるんだろうなぁ。。と、思ったらしい。目が見えなくなった分、耳が良くなったらしく「耳が地獄耳になってヒソヒソ声でも良く聞こえる」と確かに言ってた。
その時の食事を終えて、次の食事で小袋タイプのモノが出た時には「これ、ドレッシングです」と、声をかけてくれる様になったらしい。なんと有り難い事だ!
だけど毎回、食事の時に看護師さんがいる訳ではないので、袋を触って自分なりにジャムかドレッシングかを判断する術を修得した旦那さんは
「あの時は食べれば一緒だ!と思ってたけど、やっぱりパンにはジャムつけて食べたい」としみじみ言っていた。そりゃそうだ!笑