見出し画像

サウナの「ととのう」を医学的に解説してみた



サウナの「ととのう」とはどういう状態?

サウナに入ると、体は「温かさ」を感じ、副交感神経が高ぶる。その後時間が経つと「暑さ」を察知します。結果的には体を興奮させる交感神経が急上昇。この時、身体を疲れにくくさせるホルモン「アドレナリン」も分泌される。

次に、水風呂で体を冷ますと「命の危険はなくなった」と考え、再度、副交感神経が優位になる。直前まで交感神経優位だったため、アドレナリンが残り、リラックスもしているという、日常では感じられない、「ととのう」状態が生まれる。 


効果的なサウナの入り方

効果的な温度

サウナ室の最適温度は80~85℃
100℃オーバーの熱々サウナがいいという人がいるはず。でも、そのまま受け取ってはいけません。あくまでもそれはドライサウナの話です。ウエットサウナと分けて考える必要があります。
ウエットサウナで考えると、室内温度は80〜85℃が理想的。これ以上は暑すぎて耐えれません。

効果的なサウナ中の姿勢

サウナ室内では足をできるだけ高い位置にするとサウナの効果が最大限発揮されます。
人間の活動に関わる自立神経は日々擦り減っているのですが、サウナに入ると回復します。そのときに大切なポイントが、頭と足先の温度をできるだけ近づけること。床に足をつけて普通に座ると20℃近く差が生じ、大きな負担になります。
医学的には温度を一致させるのが理想なので、可能であれば横になりたいところ。しかし、それは難しいので、空いているときはあぐらをかいたり体操座りをするのがオススメです。

夜のサウナ室は暗いほうが効果的

夜のサウナは、明るさにも気をつけましょう。
人が眠たくなるのは体内時計によってメラトニンというホルモンが分泌されるため。この働きがおでこに光が当たることでリセットされてしまいます。おでこに光が当たり続けると朝だと勘違いして、メラトニンが出なくなるのです。
夜にサウナに入ってしっかり眠りたい人は、おでこに強い光を浴びないほうがいいです。もちろん目に当たってもダメなのでテレビもNG。明るい施設は清潔に見えますが、眠りが浅くなるので夜は避けましょう。

水風呂の入り方のポイント

水風呂の最低温度は16~17℃が効果的です。
人間の体には10種類以上の複数の温度センサーがあります。それらのセンサーが生命の維持に問題がある場合に反応する最低温度が16〜17℃くらい。それを下回ると“温度”としてセンシングできず、痛み・痛覚になります。すると、交感神経が著しく活性化してしまいます。強い刺激は依存症を生みやすいため、依存症を生まないギリギリの温度ラインが16〜17℃というわけです。
サウナにハマり始めると、極端になってくるのもわかります。グルシン(水温が一桁、シングル)の水風呂は、確かに気持ちがいい。
一回くらいなら大丈夫ですが、日常的に入って慣れてしまうと体の要求のベースラインが上がってしまい、普通の水風呂では満足できなくなってしまう。それこそが問題です。

休憩(外気浴)のポイント

水風呂から休憩までは2分以内がマストです!
ポイントは水風呂から出て2分以内に横になること。“ととのいタイム”は2分しかありません。
どういうことかというと、休憩中は副交感神経優位になります。しかしサウナと水風呂の影響で交感神経のアドレナリンが残っています。普通は切り替わるものだから両者が共存することはサウナ以外ではほぼあり得ません。この変な感覚こそが“ととのう”の正体です。
両者が共存するタイミングまでの猶予が2分しかない。どんどんアドレナリンの機能が弱くなり、ただのリラックス状態になってしまいます。
繰り返しますが、水風呂から上がってからは時間との戦い。動線が命です。

いいなと思ったら応援しよう!