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布団の上で博奕を‥

むかーしむかしに
私のヨガの先生がこの著者の本のシリーズを読んで
影響を受けて世界旅行へ行ったそうじゃ

今年の春にそんな話しを聞いて
読んでみたいなって
思った事を
忘れかけていた頃

note の記事でも偶然その方の本を
紹介されておられる記事と出会い

これは!
メモです

メモにぎりしめて図書館へ!

一度目、メモを忘れる
二度目、自分で探して見つからず諦めて帰る
   (自分で本棚を探し歩く事が好きという変態)
三度目、素直に検索して探してもらって見つける

しかししかし‥
単行本だったのですが
あんまりに本が古く
寝転んで読んだらページが剥がれ落ちてきそう
ボロボロで読めない‥

あきらめかけていた夏の日
私は出会う
新潮文庫の100冊

「深夜特急」香港・マカオ
        沢木耕太郎

四度目の正直?でようやく「読む」にたどり着く

今年は気になっている本を「新潮文庫の100冊」で
出会うの2回目です
若い子の言葉を頑張って使ってみると

「新潮文庫100冊まじ神〜っ」でしょうか?

この過程がアホみたいで
現代社会からおそろしく外れてしまっているのだろうと思うのですが
楽しく感じてしまうので仕方ありません


1947年生まれの沢木耕太郎さんが26歳の頃にはじめた旅

インドのデリーから汽車ではなく

バスでユーラシアを陸路でロンドンまで行こうという目的ではじめた旅

当初は《東京ーデリー》のチケットをとる予定を
途中二か所だけなら立ち寄れるという特典があるということを知り
   《東京ー香港ーバンコクーデリー》
   
に、変更して
インドへたどり着くまでに
香港、マカオ、東南アジア、インド、ネパールで
4ヶ月が過ぎてしまっていた

その旅のはじまりの香港

東京から香港まで飛行機で4時間ほど
たった半日で一気に香港の深い所にはまりこんでいる著者

ふと自分だったら?
たった4時間でこんな異国の地にいるのだとしたら?

ぐんぐんと私が沢木氏になってゆく‥

‥‥わけはなくて
沢木氏の肩に乗って一緒に旅に出ている気持ちになる

香港の中心部
九龍地区での朝

今日一日、予定は一切なく、せねばならぬ仕事もなく
人に会う約束もない、全てが自由。

今日の弁当、レンジでチンでメインはきまり、緑はブロッコリー
夕べの煮物で隙間を埋めてと、弁当のスペース埋めで頭一杯の朝

そんな私の朝
「全ては弁当」ではなく
「全ては自由」と言えたなら

沢木氏の肩に乗って
なかなかに良い旅人気分であります

今までうろつき廻っていた場所などはここに比べれば
葬儀場のようなものでしかなかった

毎日がお祭りのような香港に魅せられて
一週間、又一週間と香港に居続けてしまい

そして
マカオ

丁か半かの博打的な生き方には強い憧れを持つ事はあっても
博奕そのものへは関心が向かなかったという沢木氏が

「大小」(タイスウ)
という、サイコロによる丁半博奕の一種に
瞬く間に呑み込まれていきます

現実には布団の中で気持ちだけ沢木氏の肩に乗りながら

「沢木さん!危険です!もう辞めなくてはいけません」


しかし、推理し、賭け、結果を待つ
というシンプルな博奕に意思とは反対に体がいう事をきかず
はまっていく沢木氏
ディラーとの駆け引きなど

ぐんぐん自分も引き込まれていきます


「賽の踊り」だ、ダンス・オブ・ダイスなんて言って

やろう、とことん、飽きるか、金がなくなるまで

翌日も出掛けていく沢木さん


「沢木さん行ってはいけましぇん!」

できる事なら沢木氏の靴を隠してしまいたいような

しかし
両の手を顔面で覆い
思い切り手の指を広げて
もう、怖いもの見たさで一杯の
現実には布団の上の私です

最後には
一時は千二百ドル近くの負けから
二百ドル程度の負けに挽回した沢木氏

(ちなみに、それまで香港で半月百ドルくらいの
  生活をされていたそうです)

元来博奕には興味がなく
丁か半かの博打的な生き方に強い憧れもなかった
そんな自分がこんなにも博奕シーンに引き込まれてゆくとは
思いませんでした

布団の上で私は無傷です

読書での擬似体験

いとたのし

もちろん私のヨガの先生が、博奕のシーンに影響を受けて
博奕を旅の目的にしたわけではありません

そしてこの旅のお話
たまたま私は、ひどく「博奕シーン」に魅了されてしまったのですが
その土地での人々との出会いなど他にも沢山旅の魅力が溢れております

秋の夜長に
「布団の上で擬似博奕体験」いかがですか?
本体630円(税別)であります

深夜特急シリーズは
1986年5月から1992年10月迄長きにわたり連載されたそうです

文庫は、6冊に分冊化されており
他の国のもとても面白そうです

マガジンに追加していただきました😊
ありがとうございました。
とても嬉しいです💕
「からす」を

最後まで読んでくださりありがとうございました😊
こうして好きな事出来ている今に感謝です。




            


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