千葉の旬を味わう🍋、洋菓子づくりと紅茶の話、南房総産青レモンのケーキにアールグレイを合わせてみた🫖
千葉県南房総はレモンの産地。この時期になると地元の産直店には新鮮な緑色の青レモンが並ぶ。
この地元の青いレモンを何かお菓子づくりに活かせないかと、何年も前から考えていた。
どんなお菓子にするか、イメージはできていたけど、腰が重くなかなか取りかかれないでいた。
ここのところ体調も安定して、時間にもゆとりができてきた。今しかない!と、南房総産青レモンのケーキをつくってみることにした。
ずっと考えていたのは、ウイークエンド・シトロンというフランスの焼き菓子。レモンのケーキはいろいろあれど、これしかないと思った。
さわやかなレモン風味のバターケーキで「大切な人と一緒にすごす週末に食べるお菓子」という意味があるのだとか?!
南房総産青レモンのケーキをつくる
パウンド型でつくるケーキは、私の場合、型紙づくりからはじまる。一見めんどくさそうだけど、これが無心になって案外楽しい。型紙をつくりながら気持ちを高めていく。
そして、今回のケーキの主役 南房総産青レモン。
レモンは、切ったり絞ったりすると、部屋中がさわやかな香りになって清々しい気分になる。
ウイークエンド・シトロンで使うのは、レモンの皮と果汁。
皮は、目の細かいおろし金で、香りのいい表皮だけを薄くおろしていく。下の白い部分が入ると苦味がでてしまう。
レモンを2つに切ると、みずみずしい果肉がでてきた。果汁が多そうなので、半分で今回の分をまかなえそうだ。
絞ったレモン果汁に、熱い焦がしバターを加えると、ブワッと蒸気があがって、周囲がさらにレモンの強い芳香に包まれた!!!
レモンを扱っていると、この香りに癒される。
そして、全卵にグラニュー糖とレモンの皮を加え、電動泡立器でしっかり混ぜる。薄力粉と、レモン果汁入りバターも加えて混ぜ、オーブンへ。
バターケーキだけどフワッと軽い生地を目指す。
本式のウイークエンド・シトロンは、焼き上がった生地の上下をひっくりかえし、角を落として整形するけど、自宅用なのでそのまま仕上げる。
上面に、温めたアンズジャム塗ってから、粉糖とレモン果汁とラム酒でつくったグラスを刷毛で塗る。たぶん、ここが一番難しいところ。
グラスを塗るのは、やっぱり失敗だ……。
最後に、すりおろした緑の皮を、パラパラと中央にのせて、南房総産青レモンのケーキの完成だ!
はじめてつくる洋菓子は、たいてい何度か失敗する。このケーキは、1回目にしては珍しくうまくいった方だろう。
アールグレイでティータイム!
紅茶は好きで、若いころにいろいろ飲んだ。
当時、紅茶の淹れ方を勉強したくて、通信で資格を取ったり、神田や吉祥寺、自由が丘などの紅茶専門店にも訪れた……。
そして、今回のレモンケーキに合わせるのは、
レモンと同じ柑橘系フレーバーティーのアールグレイにしてみた。
いわゆる紅茶ツウといわれる人たちの中には、茶葉に人工的に香りをつけるフレーバーティーは邪道という人もいる。
でも、このアールグレイだけは別格らしい。
この紅茶は、紅茶の国イギリスで生まれた伝統的なフレーバーティー。
その昔、名前の由来になったグレイ伯爵(伯爵=アール)が、中国のラプサンスーチョンという燻製茶に憧れて、フレーバーティーの製造をジャクソン社に依頼したのがはじまりとも言われる。
なので、アールグレイの茶葉には、ダージリンやセイロンではなく、キーマンという中国の茶葉を使ったものが正統といえるのかもしれない。
実際、ジャクソンのアールグレイの茶葉は、キーマンだった。
そのジャクソン社の紅茶は、以前、銀座松坂屋で買えた。今では松坂屋はなくなり、ジャクソン社はトワイニングと合併。なので、もう元祖アールグレイは、国内では手に入らないのかもしれない?!
紅茶の話になると止まらなくなるので、この辺でティータイムに戻りたい。
南房総産青レモンのケーキを切り分けて、ティーポットに茶葉を入れ、お湯を注ぐ。フルリーフの大きい茶葉なので、5分待って飲みごろだ。
このレモンケーキは、キメが細かくしっとり。
バターケーキよりもスポンジケーキに近い食感でフカフカしてる。
レモンの酸味と生地に混ぜた皮の香りを感じる。軽くて優しい味わいの生地だ。
グラスもシャリシャリして甘酸っぱくアクセントになってる。上にのせた緑のレモンの皮もしっかり香る。
そして、柑橘系のアールグレイの香りが、このレモンケーキとよく合う。ケーキ、紅茶ともさわやかだ。
頭で考えてたときは、なんとなくだったけど、
ケーキは、ほぼイメージ通りで、合わせた紅茶も狙い通りにいったようだ。
洋菓子づくりとティータイムのおかげで、優雅な気持ちで過ごせた1日になったのかも……。
やはり趣味は、人生を豊かにしてくれるものなのかもしれない。
お読みいただきありがとうございました🍀