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エッセイ

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主に昔語りと創作。 つまらなそうだ? そうでもないぜ。
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2024年9月の記事一覧

なぜか海外ドラマ紹介など

なぜか海外ドラマ紹介など

少し前に「アストリッドとラファエル」というフランスのドラマにはまった。

自閉症の文書係と、猪突猛進の女性刑事のシスターフッド物語で、特に自閉症を抱えるアストリッドを演じたサラ・モーテンセンのリアルな演技が光っていた。
もちろん刑事物としてのストーリーもなかなか面白く、お約束の恋愛要素なども過不足なく、まぁよくできたドラマなのだ。
本国では続編が作られているようなので、まだ今しばらく楽しませてもら

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3行で済ますつもりが1249字

3行で済ますつもりが1249字

おおむね暇な生活を送っているのだが、なぜか今週も来週もひどく忙しい。

もしかしたら、体の疲れに負けて来週は投稿が疎かになるような気がしないでもないので、あらかじめ言い訳を書いておこうと思う。

ここしばらくは3行日記を2〜3回続けたら、少し長めの文章を挟むというローテーションで、そのくらいのアウトプットがわたしの体質にあっているようなのだが、なにぶん年寄りだ、たぶん肉体疲労には勝てないだろう。

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おい幸之助

おい幸之助

高校生の時に、新聞の社説だか一面コラムだかを何本か読んで、感想を書いて提出、という宿題が出たことがあった。
文章は自分で勝手に選んでよいという。
今と違って新聞をとっていないという家はわずかだった時代だ。
スポーツ新聞はダメだぞぉなんてことを言われた覚えがある。

それで、家でとっていた新聞を一週間くらい真面目に読んだのだが、たまたま当時設立されたばかりの松下政経塾に関するコラムが目についた。

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あなた先生だったでしょ

あなた先生だったでしょ

タイトルのようなことを言われたことがある。
今年の3月を「去年」といってしまったからバレたのである。(学校の昨年は昨年度のことである)

というわけで、専門用語ではないのだが、限られた業界でしか使わない言葉や言い回しというのがある、というお話をする。

例えばわたしの妹は看護師資格を持っていたのだが、あの業界ではよく「申し送り」という言葉を使うらしい。
「勤務を交代するにあたっての業務連絡」といっ

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ほぼ皆さんにはどうでもいい話

ほぼ皆さんにはどうでもいい話

40過ぎくらいから白毛が出てきた。

理容師のお姉さんに「一度染めると一生染めなきゃなんないですよ」と言われたにもかかわらず、ヘアカラーに手を出したのが50歳手前。
風呂場で自分で染めていたのだが、これはわりと上手に仕上がって、見た目はぐっとマシになった。

ここで一応わたしの白髪対策は落ち着いて、その後10年過ぎるうちには、月一回が二回になり、やがて二週に一回くらいの頻度で染めるようにはなっては

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八百万

八百万

働く場所に神棚というのは、私たちが普通にみる風景だ。

古来、八百万の神などといって、我々は森羅万象ありとあらゆるものに神様の姿を見出してきた。

そういう流れで本邦では、暴力団の事務所から中小企業の営業所に至るまで、しばしば神棚がしつらえてあるのを目にすることができる。
国家を代表する大企業の、自社ビルの屋上あたりに、ひっそりとお宮が祀ってある様子も、特に珍しいものでもないだろう。

そしてこれ

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菩薩生を生きたい

菩薩生を生きたい

昨夜はなぜだか炊き込みご飯が食べたくなったのだが、冷蔵した白飯がけっこうな量残っていたので、白飯に後から具を混ぜ込んで味をつけるという、荒技に出た。

まぁ望んだものとは違ったが、それなりのものはできたので食卓に出したら、明らかに連れ合いの反応が悪いのだ。
どうも口に合わなかったらしい。
おのれ生意気な。

何となく不貞腐れていたら、こちらの不穏な気持ちが連れ合いに伝染したのか、今度は食卓に出した

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色の話

色の話

先日、水彩画を教えていて、「このビリジャンがですね・・」みたいなセリフが口をついて出たのだけれど、ビリジャンだとか、クリムソンレーキとか言っても、残念ながらほとんどの人には伝わらない。

それはもうずっと前から、それこそ人に教える仕事を始めて以来、身にしみてわかっているのだから、もういいかげん別の言い方を考えろと、自分に対して歯痒く感じている。

ここまで書いて、ということは読んでいる人にも伝わら

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成功体験

成功体験

木工機械の作動音が途切れたとたん、仕事場に流しているラジオが唐突に問う。
「マラソン」といって思い出すのは何ですか?

えっマラソン?
宗兄弟? イカンガー?
頭の中でつぶやいて、その連想のあまりの古さに自分で感心してしまった。
まぁしかし、あの人たちは実にキャラが立っていた。
ワンツーフィニッシュを決めるメガネの一卵性双生児とか、全てのレースでスタートからゴールまでずっとトップを譲らない謎のアフ

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認知症とか職員会議とか

認知症とか職員会議とか

今週、朝ドラの余貴美子の演技が話題だ。
主人公の夫の義母の役なのだが、それまでの穏やかな雰囲気から打って変わって、認知症の発症から進行の様子を見事に演じている。

わたしはわりと楽しく見ているが、この作品自体にはいろいろな意見もあろう。
ただ、確かに彼女の虚な目の演技は、わたしの見知った認知症の人の目で、役者というのは大したものだと思った。

朝ドラや大河ドラマに代表されるが、総じてNHKのドラマ

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24時間テレビ考

24時間テレビ考

24時間テレビには興味がないし、見たこともほぼない。

それでも第1回の時には少しだけチャンネルを合わせていて、ピンクレディーが歌っていたのを覚えている。
1978年、高校1年の時であった。

実はその3年前に、ニッポン放送で「チャリティー・ミュージックソン」と言うタイトルで、24時間ラジオが始まっている。
萩本欽一が全盛期を迎えようという時期で、ニッポン放送の「欽ドン」は中学生だった自分にはお馴

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