トラウマの癒し:大地に受けとってもらおう

1か月程前に、あるセラピストのセッションの動画を視聴する機会があり、そこで言われていたことがありました。

「もし、その感覚に出口があって、身体の外に出ていくとしたら、どこが出口という感じがしますか? 気のせいでもいいので、なんとなく出口が分かりそうだったら、出口に気がついてみてください」

そして続けて、「出口を無理やり探す必要はなく、その感覚がずっととどまっているという感覚があるなら、それで大丈夫です」とも言われていました。

約1年前、私はトラウマのエネルギーの解放による大きな震えを経験してから、震えの大きさや頻度は変化してきたものの、日常生活でほぼ毎日、足の震えが起こるようになりました。
どんな時に震えがひどくなるか、自分でもよく分かっていました。
それは子どもの頃のトラウマ体験と重なる時であったり、数年前に経験した、心の根底から深く傷つくような体験につながる感覚を感じた時でした。

本やセラピーで私が知っていた、震えが起きたときの対処法は、「震えが起こるままにして、自然におさまるまで静かに待つ」という方法と、セラピーでやったことがある「自分の身体の大丈夫な部分を探して、意識の大部分をそちらの方に向ける」という方法でした。

この2つの方法しか知らなかったので、この1年、ずっとどちらかの方法をやってきたのですが、連日のように起こる震えが収まることはありませんでした。それでも精神的に徐々に楽になっている感じがしていたし、震えはトラウマのエネルギーが解放されている良いことなのだから、いつか収まるだろうと思って、自分にはよっぽど多くのトラウマのエネルギーが蓄積されているんだな…等と考えていました。

1か月程前、セッションの動画を視聴して、毎日のように起こる震えに、「この震えが身体の外に出ていくとしたら、どこから出ていくだろう?」と初めて問いかけてみました。
足の裏からトラウマのエネルギーが出ていって、床に伝わっていく感じ、皮膚から外に出て、窓から外へ出て行くイメージ、色々とイメージしてみると震えは自然におさまり、じわーっとした感覚が自分の中に起こるのを感じました。

それを数日続けていると、連日のように起きていた震えが、徐々に起きなくなり、起きたとしても、自分の身体からエネルギーが出て行くイメージをすると、震えがスムーズに収まっていくようになりました。
もしかしたら自分はずっと壁にぶつかっていたのかもしれない。

とても単純なこと、ささいな意識なのだけど、きっとこういうことこそ、大切な気づきであり、貴重な変化なんだろうなと感じます。

あるセラピストは、「足元に地球を感じてみて、そして背中に宇宙を感じて」と声掛けしていたそうです。
いま自分がいる地球、その先にある宇宙を感じながら、トラウマのエネルギーを大地に還して、地球や宇宙に受けとってもらえばいいと、そんな風に思うようになりました。

人間は、自然や宇宙の一部です。自分が受けたトラウマを、いつまでも自分が抱え続けなくてもいい、何もかも自分が抱えようとしなくていい、大地から受け取ったものは、大地に還していけばいいのだと思います。

最近よく言われる、右脳の大切さ。考える左脳よりも、感じる右脳が大切と、究極はそうなのだと私も思います。幸せを感じるために、それはとても大切なことなんだと思います。

それでも私は、考えることの大切さ、というのもある気がします。
憎しみを考え続けることは愛ではない。けれど、どんなことであれ、「それはなぜだろう?」と考えることは、たとえ終わりのないことであったとしても、人間や世界に対する愛の行為だと私は思うから。それによって、人は多くを学び、共有してきたのだと思う。

どんな感情も、感じきることで、その感情を手放していけるのだと思います。感じてはいけない感情はない。自分の中にある全ての感情を認めること。他人を許すのではなく、他人を許せなかった自分を許し、他人からゆるされなかった自分を許すのだと思います。

少しずつ、楽な方へ行こう。
一歩一歩、ほんとうの幸せの方へ進もう。