condense light
誰かと一緒に、
共通の事に、一生懸命取り組むと、
なぜだろう、
苦しみ・悲しみは、半減して、
喜び・楽しさは、倍増するのは。
一方で、その誰かがいなくなると、
なぜだろうか、
苦しみと喜びが、逆転するのは。
今、私が最も尊敬する先輩と、
研究を進める上で、
必要なセットアップを一緒に組んでいる。
と言っても、
今の私では、ほとんどの場合、力になれず、
逆に足手まといになっているかもしれない。
そんな私が隣にいても、
先輩はいつも優しく、
一緒に考えながら、
失敗の苦しみも、成功の喜びも、
口に出して、私に伝えて下さる。
その悲痛な叫びや歓喜の雄叫びを、
私は、隣で一つずつ丁寧に聞き、
頭と心に刻みながら、
できる限り、寄り添う言葉をかける。
そして、
もう二度と来ない一瞬を噛み締める。
先輩は、今年度で、卒業される。
私よりも、遥かに優秀で、ストイックで、
優しい、という言葉では表しきれない程、
温かい心をもつ、先輩には、
これまで、たくさんのことを勉強させて頂いた上、
数えきれない程、助けて頂いた。
感謝しきれない程、たくさんの愛を与えて頂いた。
来年から、、、いや、本当は、今秋から、
先輩は、次のステージへ進まれる。
もう、先輩から学べる時間がない。
もう、実質的に、先輩と一緒に実験することはない。
もう、傍にいらっしゃることはない。
正直なところ、不安でしかない、のだ。
そんな私を後目?に、
どこまで本気の言葉かは、分からないのだけど、
先輩は、私にこう仰って下さった。
この言葉を聞いて、
こんな私でも認めて頂けたのだと、
とても嬉しかった反面、
強烈な不安と重圧に襲われた。
私は、先輩の代わりにはなれない。
でも、私は、先輩の代わりにならないといけない。
相反する自分の考えに、私自身が戸惑う。
なれるだろうか、、、
いや、なれない、、、
いや、なるんだ、、、
頭の中がずっとこれらの繰り返し。
だけど、私は、既に知っている。
これらは、私の弱さと甘さでしかないと。
そんなこと言ってる場合ではない。
せっかく、先輩が私に渡そうとしているバトンを、
握りこぶしで、
助走もなしに、
レーンに立ち尽くすことだけは、
絶対にしてはいけない。
だから、、、
私は、今、たとえ、木偶の坊でも、
先輩の近くで、一緒に取り組もうと思ったのだ。
少しでも多くのことを、先輩から学びたい。
一番弟子の名に恥じないように…
ただ、この一心。
今、先輩と過ごす時間を、
見て、学んで、話して、悩んで、笑っている時間を、
すべてを分かち合える時間を、
できる限り、集めて、私の中に閉じ込めたい。