【詩】手術
魂を開く手術
麻酔が脱力の合図
見えない記憶のメスが君の胸を右から空へ開く
ライトはいつも心音と同期
数えてもう一度数えて
後悔と疑念の腫瘍の位置を
僕は滌除する
緑の血液に巣食う良性の恋の残骸
物質でできた資本主義色の大脳の記憶
気取りと傲慢な言葉が転移している狭窄症
時間の電気メスで摘出
生まれ変わった君はもう
君からは他人だ
瞳は純粋な景色が映るように澄んだ色に戻った
ドグマの傷口を価値観のないアルコールで消毒
嘘を洗い流し意思で縫合
さあ 立ってみて
もう怖いものは ない
未来と過去さえ 予防すれば