【詩】蒼茫(SOUBOU)
S そんなことを考えながら
どんなことか は これから始まるのだという予感をポケットに突っ込んで
改札を出て
昇りエスカレーターで運ばれる多くの瞳を横目で見ながら
階段を降り 動く歩道に乗ってそれが途切れた途端に
巨大なドームのような天井に覆われた広い構内の左手に
銀行や本屋さんや喫茶店の入口が続いて 右手には
デパートのショーウインドウの中で からくり仕掛けの人形が微笑んで
それは僕の想像だと 多分
小さなマイクロチップがどこかに入っているけれど その人形はちょっと