詩と少年

詩が好きです。料理を作るのも好きです。時々ケーキやクッキーを食べたくなって焼きます。好…

詩と少年

詩が好きです。料理を作るのも好きです。時々ケーキやクッキーを食べたくなって焼きます。好きばかりで毎日を過ごせたらいいなと思っています。

最近の記事

【詩】ぼくらは はたらかない

ぼくらは はたらかない もし ことばを 信じないなら ぼくは はたらかない せかいは ことばで できている から でも 信じたい だから だまされた ふりをして 働く しゃかいの 役に 立とうとする そうやって ぼくらで あることを 放棄する でも ぼくらのなかの こどもが それを いつまでも ゆるさない こどもは 蜂起して ぼくらに びょうきの ふりをさせる ぼくらは びょういんで びょうきの ひょうほんのひとつに なって しゃかいの ピンで とめられる こどもは

    • 【詩】遠足

      どんなに小さくても 光っている  遠い空の ひめごと ぽたりぽたり ざわめき を 撒き散らして 浮かんでいる 雲 は き い ろ で 何年も 隔たった  壁のように 動かない 意地悪は 言葉から  不吉な 啓示が  母の唇を 震わせて あっちゃん 今日は 遠足 ち ゅ う し だって わたしは 窓が 忍びやかに 斜めに ゆ れ る のを み あげる 視界は 不自由で きっとそれは 涙のせい (きのう は 晴れてたのに) わたしは 探し回る 明るい場所を しゃが

      • 【詩】蒼茫(SOUBOU)

        S そんなことを考えながら どんなことか は これから始まるのだという予感をポケットに突っ込んで 改札を出て  昇りエスカレーターで運ばれる多くの瞳を横目で見ながら 階段を降り 動く歩道に乗ってそれが途切れた途端に 巨大なドームのような天井に覆われた広い構内の左手に 銀行や本屋さんや喫茶店の入口が続いて 右手には デパートのショーウインドウの中で からくり仕掛けの人形が微笑んで  それは僕の想像だと 多分 小さなマイクロチップがどこかに入っているけれど その人形はちょっと

        • 【詩】イット

                Poemな  と き を 着込んで こ う え ん のべンチで ね こ ろ んで イット を かん じている なら       白昼  に か げ の夢の と   て も ea sy なじかんの あ い だ をぺ ディキュアない ろ が ランデヴーするなら きこ えて いる のは しず んだ おも さの そら 手のひらしかない  変えることも 帰ることも できない イ  ット  を  かん じ て いる なら  しょうめつ する ハレーションの Exhib

        【詩】ぼくらは はたらかない

          【詩】Love Resonance

          あなたは わたしに  言葉のバスタオルを投げる Liberate Liberate Liberate Liberate わたしはそれで わたしを拭って

          【詩】Love Resonance

          【詩】ぼくはうつくしくないのです

          ぼくはうつくしくないのです でも はじめなきゃいけない  だから くるしい くるしいのです きみを うしないたくない どうすれば たしかなこころで きみを にぎっていられるか おしえてほしい あい という みえない ひきあう かんすう こい という とどかない ふれあう なみ の かんびで ふあん な あたたかい しょうげき を うけとめて いたいのです ぼくは うつくしくないのです でも つづけなきゃ いけない だから ふるえて ふるえているのです きみを はなした

          【詩】ぼくはうつくしくないのです

          【歌】

          アゲハ舞う 庭石映える 影さへも 筧(かけい)が止める 夏の一夕

          【詩】進軍ラッパ

          本の中から進軍ラッパの音がした 物語は夢でできているから  たとえ壊れても安心だ 嘘にはホントが隠れていて 物語は奇跡でできているから 嘘も本当はホントで ホントは嘘でも嘘なのさ だからみんな映画を愛する 美男美嬢と演技派男女が 白い画面で恋と殺人 ヌードに暴力恐怖と涙 トリックユーモア喜劇に悲劇 どんでん返しのあっけらかん 爽快痛快痛烈悲壮 それでもいつでも世界は平穏 カフェのテーブルの上で舞う風 メフィストセレスは笑って言った  肉一ポンドと交換に君の時間を売ってくれ

          【詩】進軍ラッパ

          【詩】金曜日の午後

          金曜日の午後 それは 人々を解放する 明日は明後日と双子で休みだと 二つの心臓を持つキリストが 言ったから いいえ  微笑むのは 最後の瞬間 想像がつくる 夕刻の幻影 誰もが視線を日付変更線に向けて いつもが違う音符に変えられて 足取りが影を消し 歌詞が始まる唇 兵服を脱いで 平伏しない心で 平服になって 滑らかな顔で 微風をこめかみに感じて 期待を乗せた機体は トンネル効果で 突き破る日常のカーテン 楽園 のおとが  打ち寄せる そこやあそこに 浮遊する

          【詩】金曜日の午後

          【詩】悪魔っ子

          ラソラソラソラソ ラソラソラソラソ ラソラソラララドー バリバリスピード上げてく君の感情にスイッチオンして 善きも悪しきもスルッと舐め尽くしてしまいましょう 9999999999.9パーセントのキムチ100に変えてみたい 9999999999.9パーセントの気持ち100に変えてみたい 千年万年一億光年百億千億最終光年 美人もB U S Uもゲスもカスもガスも もりもりもりもりみんなもりもり 盛りだくさんで相手してやるぜ 早くやくやく早くやくやく好きか嫌いかはっ

          【詩】悪魔っ子

          【詩】小さな木

          小さな木が生え それは僕の心と一緒に成長していった それは葉を増やし 葉脈を増やし 葉脈が陽光で受胎し 新しい芽になり 芽は葉に 葉は茎に 茎は幹に 幹は枝を伸ばし腕に 手に 根は足に 僕は木が顔を見せるのを待った 木は顔をつけなかった 二本の腕を組み 五本の足を組んで座ると 残りの枝を丸めて頭を作り それは籠のようで 中から鳥の雛が頭をもたげた 雛は成長して葉っぱの翼をつけ  細枝の足で歩いた 僕は ある日 枝切り鋏で 籠に扉をつけ

          【詩】小さな木

          【歌】夕暮れ

          ふうーっと 空の向こうで 息をする 暑さ沈まる   夏の夕暮れ

          【歌】夕暮れ

          【詩】抱いて

          抱いて 心から それが叶うなら 他には何もいらない 抱いて 嘘でもいいから それが叶うなら もう死んでもいい 抱いて 一度でいいから それが叶うなら 永遠に愛するから 抱いて お願いだから それが叶わないなら あなたを嫌いになる術(すべ)を教えて

          【詩】抱いて

          【歌】やかん

          二リットルの やかんが吐き出す 麦の蒸気 揺れて昇りて 夏雲となる

          【歌】やかん

          【句】やかん

          やかん沸き 夏をひびかす 湯気の音

          【句】やかん

          【詩】夢の石

          石を見つけたのは ピクニックに行った時だった 夏の光は暑熱の硬度で私の裸の肩を焼いた 河原の石は炭化し トンボが谷間を行き来する聡明な空 水浴するサンダル  足の指が川の流れに沈む 川面をを跳ねる光  プリズムが作る図形 揺れる光の泡  小魚の曲線が散って 砂間から石が覗いた  揺れて 微笑む 幾世紀も前から 太陽の顔の紋様 その丸い石は 私の心を閉じ込め 私をポケットに入れた 石は 川から上がると見えなくなった  石は ベッドの上で毎夜光ったが見えなかった 夢の中で 石は

          【詩】夢の石