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呼吸・循環管理の「ざっくり」

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 呼吸・循環管理というとICUを想像すると思います。

 もちろん、これらの管理をしてあげなくても人体は健常時はこれらのことを「勝手にやってのける」わけです。これらに介入しないといけない病態というのはやはり「重症」というわけです。

 でも、呼吸・循環管理についてのざっくりとした理解は、すべての医療従事者全員が知っておくべき、一つの「共通言語」になるような気がするので、それをなんとか言語化し、誰でも理解出来るように、改良を重ねながら発信していきたいなと考えています。今日は5点に絞ります。

「酸素」が何より大事

 ①つめは(図の右上のブランチ)、人体のエネルギー産生はほとんど酸素を消費(ミトコンドリアで)することによって得られている。ということです。解糖系では、ミトコンドリア代謝の約1/15しかエネルギーを作れない上、乳酸を産生してしまいアシドーシスに寄与してしまいます。
 リハビリをすることで、骨格筋の酸素消費効率が上がるので、「体力エネルギー産生力)向上のためにリハビリが重要」です。特に慢性期の呼吸器疾患・心疾患ではそうですよね。

酸素は、呼吸器系と血液・循環系でミトコンドリアへ運ばれる

 ②つめ(右下のブランチ)は、ワッサーマンの歯車(下図はネットから拝借しました)を紹介しています。ざっくりいえば、酸素は
 ❶「呼吸器系で取り込まれ」、
 ❷「血液・循環系で運搬され」、
 ❸「筋骨格系・全身の組織のミトコンドリアに取り込まれて消費される」
ことを表した図になります。これら❸つの管理が、「呼吸・循環管理」ということになります(左の3つのブランチ)。

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呼吸器系と血液・循環器系の管理が大事

 ③つめと④つめこそが、それぞれ呼吸管理と循環管理です。いかに「効率よく」かつ「有害事象なく」組織に酸素を運搬させるかを考えるのです!!詳細は別記事で述べていきます!

患者を冬眠させ省エネモードにするのも大切

 さらに⑤つめは、余分な酸素消費の抑制です。「重症患者ほど、病態をよくすることだけにエネルギーを消費したい」わけです。さすがに重症患者に全力疾走させる人はいないでしょうが、そこまでではなくても「安静」はある程度(廃用にならない程度に)必要です。
 熱がある、痛がっている、暴れている、頻呼吸をしていて筋疲労がある。これらによって本来「病態をよくするために必要なエネルギー」が横取りされてしまうのを避けるために、解熱、鎮痛、鎮静、筋弛緩などを適宜使用するわけです。

 ③〜⑤はお互いに関係している要素も沢山あります(例:陽圧換気は酸素化に関係すると同時に、前負荷にも関係する、とか)。多少複雑なところもありますが、徐々に慣れていけば良いことなので、まずは「ざっくり」理解して、細かいところはあとから追加で学べば良いだけです!さあ、なんとなく視野が広がったでしょうか?

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