おせちに合うイタリアワイン
おせちもオシャレにワインであわせたい
日本人の正月の定番おせち料理。ここでもワインを合わせてオシャレにきめたい。おせち料理の特徴は味わいの多様さ。ワイン1本で全料理合わせるのは非常に難しい。おせち料理を分類してマリアージュを提案していきたい。
なお、イタリアワイン縛り(※所属している店がイタリアワインのお店)という難しい面もあるが、逆にイタリアワインだけでここまでいけると判断してください。
定番おせち料理
マリアージュを分かりやすくするために定番お節メニューを分類する。その上で合うワインをチョイスしていきたい。また、なるべくワインの本数は絞りたい。
①煮しめ系
(含め煮、昆布巻、田作り、甘露煮、高野豆腐、根菜、お煮しめ)
②魚介のうま煮
(海老、あわび、あさり)
③口取り
(黒豆、栗きんとん、伊達巻)
④酢の物
(なます、れんこん)
上記の①〜②は砂糖とみりんが効いた甘めの料理。③は明確に甘い料理。④は酸味が効いた料理になります。
①〜③の甘めの料理には甘めのワインで調和を取るのがいい。特に③は甘い味付けなので、ここはしっかりとした甘めのワインで調和をとりたい。もしくは酸味の効いたワインでリセットするイメージで①〜④全てに合わせていくか。
Casamiaのおせち料理と合うワイン4本
甘みで調和させるなら
イタリアヴェネト州のヴェルドゥッツォ種100%の白ワイン。白い花、アカシアの香り。蜂蜜のニュアンスがある僅かな微発泡の甘口白ワイン。
①〜③の砂糖とみりんで仕上げる甘みのある味わいにはとても良く合います。特に出汁をしっかりと染み込んだ高野豆腐との相性は◎
一方で、④の酢の物との相性はイマイチ。
酸味でリセットしていくなら
イタリア、ロンバルディア州ガルダ湖周辺で造られるリースリングイタリコ。リースリングイタリコはドイツやフランスアルザス地方などで有名なリースリングとは別の品種です。ウェルシュリースリングやグラシェヴィナとも呼ばれ中央ヨーロッパの土着品種。
こちらはリースリングの甘みとは全く逆の、とにかく酸が強めのワイン。レモン、柑橘系の香り。ミネラル豊富で酸が強くても心地よい味わい。
(おせち料理特集でなければ鶏の唐揚げを一番にあげたい笑)
こちらのワインは万能選手。④の酢の物は勿論相性がいい。調和しあう。意外だったのが海老のうま煮。ガルダ湖岸の氷河堆積層由来の豊富なミネラルが海老と相性がいいのだろう。
ただ、酸味が強いので①〜⑤のどの料理とも相性は悪くはないが酸味でリセットしていくので、マリアージュと言われるとどうかな?とも。ただ、1本で通すならコレ。
甘みで通すなら
全体的に甘い味付けが多いので甘みでの調和に振り切ってゲヴェルツトラミネールでいくのも面白い。こちらのゲヴェルツトラミネールはアルコール度数が12.5%と低いのが特徴。ゲヴェルツトラミネールは華やかで甘く、飲みやすいのでグイグイいきやすい。ただ、アルコール度数は通常高いものが多いので悪酔いには注意。アルコール度数が低めでライチ、白桃のアロマティックな香りにミルキーなニュアンスが包み込む。
こちらのワインは、①〜③の甘めの料理と相性が良いが、なんと言っても栗きんとん。クリーミーな甘さが栗きんとんのねっとりとした甘みとマリアージュ。この組み合わせは、ぜひ一度試していただきたい。
赤ワインで合わせるなら
こちらのワインはイタリアプーリア州、マンフレドニア湾から数kmで造られるプリミティーボ100%のワイン。
プリミティーボは一番先に熟す「プリモ」(イタリア語で最初の意)から名付けられています。熟すスピードが非常に高いために不均一に熟します。そのため、非常に糖度が高いぶどうも交じるのが特徴です。
また、このプリミティーボは海に近いという生産地のテロワールを非常に強く受けており、ミネラル豊富で潮風のニュアンスがしっかりとあります。
さらに、こちらのワインはユーロリーフ取得のオーガニックワイン。酸化防止剤も少なくなっております。
近年の研究でワインと魚を合わせると生臭くなる原因として、魚に含まれる不飽和脂肪酸が、ワイン中の成分である酸化防止剤(亜硫酸)によって酸化・分解されることで生臭い香りを発生させると科学的に証明されております。
酸化防止剤の少ないワインは魚介との相性もいいといえます。
タンニンの少なさと豊富なミネラル。酸化防止剤が少なめの赤ワイン。この特性が赤ワインでありながら魚介との相性を生み出す。④はさすがに厳しいが②、③との相性は良い。また、こちらのワインは雲丹との相性は抜群。しっかりとマリアージュするので試して欲しい。
結論
ワイン1本で通すのは難しい
1本でいくなら酸味がしっかりとした白ワイン
甘みによった味付けが多いのでゲヴェルツもいい
赤ワインならタンニンが少なめでミネラル豊富なタイプ
酸化防止剤不添加のワインは魚介が多いお節との相性もいい
以上の通り、お節は味付けも多彩でありなかなか1本で通すのは難しい。
ただ年始は皆で集まる機会が多いので少しづつ合うワインを持ち寄ってワイン仲間とワイワイするのも楽しい時間になりそうです。