歴史本11:産品から産業、文化と昇華させる者が主導権を握る、甘くない歴史 [歴史本の棚]
歴史こそ、史上最大の財産!
人類が長きにわたって紡いできた歴史そのものこそ、今に生きる私たちが学ぶべきことができる最も大きな参考資料です。
過去の大勢の人が必死に考え、真剣に実行してきたこと、そして成功し、失敗してきたこと、それらの経験を学べる位置に、私たちはいます。
国家経営、流通貿易、芸術創作などあらゆる歴史は、現代の経営者やクリエイターたちにたくさんのことを教えてくれます。
「歴史本の棚」は、大の読書嫌いの主宰・弘中勝でも読むことができた歴史本の中から、皆さんにお勧めする1冊とそのポイントについて述べるコーナーです。
皆さんにとって一つでも参考になる内容であれば嬉しいです。
■第11回:産品から産業、文化と昇華させる者が主導権を握る、甘くない歴史
メールマガジン『ビジネス発想源 Special』には経営やマーケティングのヒントを歴史の話から探る「歴史発想源」という人気コンテンツがあります。
その「歴史発想源」で2年前に、「大望の航路・ポルトガル篇」という章を連載したのですが、これが書いていて超面白くて、一気に西洋史に興味が湧くようになってしまいました。
最西の小国に過ぎなかったポルトガルが一大海洋国家になるきっかけを作ったエンリケ航海王子という人物を主人公にした章です。
書き始めたきっかけは、その年に偶然ポルトガルに旅行をし、リスボンやポルトなどでエンリケ航海王子の銅像を見て「誰やねん。航海王子って何やねん」などと思って、調べたら面白そうだったのでそのまま連載となりました。
書いてみるとあまりに面白かったので、すぐに電子書籍化しました。Amazonのkindleストアで「ポルトガル篇」の電子書籍版を取り扱っていますので、もしよろしければそちらをご覧下さいませ。
で、何が一番面白かったのかというと、「砂糖」の話です。
イギリスがアジアやオセアニアを征服していった時にその原資になったのはお茶や香辛料などであることはよく知られていますが、ポルトガルの場合はそれが砂糖でした。
エンリケ航海王子がヨーロッパ諸国に先駆けてアフリカの西回りで赤道を越えようとした時に手に入れたのが、砂糖の栽培地だったのです。
そのおかげで、ヨーロッパ諸国は宗教の異なるイスラム圏から高い値で砂糖を買わなくても、ポルトガルから買えるようになりました。ポルトガルはヨーロッパの砂糖市場を独占することで海外展開に弾みをつけたのです。
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