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本と泊まる夜:BOOK HOTEL 神保町


本の世界へ踏み出す旅

note をじっくりとご覧になる皆さんはきっと読書が好きな方が多いのではないでしょうか。
私もかつてはそんな人間だった気がしたのですが、SNSが普及してからというもの、読書が日常から遠のき、不思議なことにすっかり苦手分野となってしまいました。
社会人になってからも、必要に迫られて本やドキュメントを読むことはあっても、それはあくまでも「答えを探す」ための読書であり、以前のような「読んで楽しかった」「心が動かされた」という経験は数えるほどしかありません。

そんな中、都内に用事があり宿を探していると「BOOK HOTEL 神保町」に出会いました。
「本を読むためのホテル」「わたしの本を見つけるホテル」というコンセプトはまさにかつての読書体験を思い出したい私にぴったりでした。

ホテルか、図書館か

前の用事が押してしまい、ホテルに到着したのは19時頃。
フロントに足を踏み入れた瞬間、「ここはホテル…ではなく図書館…?」と感じました。受付のお姉さんも、まるで司書さんのような佇まいで、コンセプトが見事に作り込まれている空間でした。

※ ばしっと外観撮影した写真を載せたかったのですが、カメラの調子が悪く撮れず… ぜひ公式様等をご覧ください……

今回特に楽しみにしていたのが、事前に申し込んでいた選書サービス。
私は事前のリクエスト欄に「本を読むのは苦手だけど本を読みたい」「好きな本は自己啓発本」と書きましたが、正直「こんなリクエストでBOOK HOTELに来ていいのかな?」と申し訳ない気持ちもありました。
それでも、スタッフの方は私にピッタリの本を紹介してくれました。

手渡されたのは、「成瀬は天下を取りに行く」と「読書間奏文」の2冊。どちらも手に取るのが初めての本で、「自分のために選んでもらった」という特別感がありました。

宿泊中は「深く読む」よりも「多くの本と出会いたい」という気持ちだったので、紹介してもらった本を1章だけ読んでみました。
すると、どちらもスラスラ読めてとても面白く、普段の読書とは違った満足感がありました。

さらに、部屋の枕元や各階にはたくさんの本が置かれており、それぞれに手書きのおススメコメントが添えられていました。
Amazonのレビューとは違う温かみがあり、普段手に取らないジャンルにも興味を引かれる仕掛けでした。

宿泊した部屋にはマッサージチェアがあり、これが部屋を選んだ決め手でもありました。
思ったよりも高性能なマッサージチェアで、読書体験と並ぶくらいに、日常から解き放たれる体験でした…。
マッサージチェアを堪能しながら読書をするという贅沢な時間は、何にも代えがたい体験です。

日常に読書を取り戻す

出張ついでの宿泊だったこともあり、滞在は少しあわただしくなってしまいましたが、日常から離れた時間の中で「読書を楽しむ」という体験を取り戻すことができました。
次に訪れる際は、チェックインの時間きっかりから本の世界に浸りたいと思います。そのためには、もっと読書力を上げておかなければ……そんな目標もできました。

BOOK HOTEL 神保町は、本好きだけでなく、「読書から離れてしまった人」にも新しい本との出会いを提供してくれる場所だと思います。

運営会社の株式会社dot さんが経営するホテルには、京都にも同様のBOOK HOTEL、都内にMANGA HOTEL があるそうです。
忙しい日常の中で忘れてしまいがちな読書の喜びを、再び手に取るきっかけをくれたBOOK HOTEL 神保町。
この場所で過ごした時間は、私にとって心の贅沢そのものでした。多くの方が自分と本を繋げる場所でありますように。


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