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一周忌法要を終えると、誰からともなく「片付け」の話になった。決してゴミ屋敷という訳ではないが、やはり昔の人らしく、実家にはそれなりに物が多い。 「ねぇ、これ何だろう」 と妹が、ガムテープでぐるぐる巻きにされた紙袋を指す。百貨店のロゴが入った小さいサイズの紙袋。それほど重くはない。中身は紙の束のようだ。チラシの裏に走り書きされた、小さなメモがテープで貼られている。 「メイドモテイク」 「メイドカフェのメイド?」 「maid も take?」 「いや、メイどもテイク?」
世の中の人の多くは大学教員の仕事を誤解している。授業や研究は、それほど大変ではない。 一番つらい仕事は何かと問われたら、十中八九、テストの採点というだろう。例えば、400人教室いっぱいに学生が授業をとっていたとする。その400人の採点を、多くの教員は一人で行わなければならないのだ。 AIが発達したせいで、レポートを課すと、似たり寄ったり、当たらずとも遠からずのつまらない答案ばかりを400人分読まされる。苦行。テストを意図的に欠席し、俺の手間を減らしてくれた学生こそ、合格!