はじめてのホラーゲーム制作。「そうだ、ゲームつくろう」から広がる世界。
まさか私がホラーゲームつくることになるなんて。
いや、つくってみたいと思ってたけどなんでこんなことに!?と私も思っています。
けれどつくりました。いわゆる「フリーホラー」と言われるジャンルのサウンドノベルゲーム。無料でプレイできるホラー要素のあるPCゲームです。
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※こちらでもプレイできます。ただし環境によって進行不可になることがあるので、Windowsの方は「ダウンロードしてプレイ」推奨です。
そして実際にリリースしてみると、予想外の出来事が続き、毎日心動かされ、世界が広がり、この小さな一歩がとても大切だったことを痛感する日々なので、その軌跡を残しておきたいと思います。
本が好き。ゲーム実況が好き。生み出す側にも行きたい。
言葉が好きで、本が好きで、物語が好き
私がホラーゲームつくりたいなぁとぼんやり思うまでの話をまずさせてください。
小さい頃から言葉が好きで、本が好きで、物語が好きでした。
これは今も変わらなくて。
この「好き」は仕事で役立てています。
広報の仕事をしているのですが、PRする新製品にまつわる出来事も、一人ひとりが語る体験談も、ストーリー的に言語化して発信するのが得意な方だと思います。
創作する側に興味があった頃もありました。
でも自分でゼロから創作する根気も自信もなく、企業やプロダクトにまつわる物語を紡いで伝えることが1番合ってるのかなぁなんて思いながら、10年以上広報の仕事をしていました。
ゲーム実況にドハマりして「フリーホラー」なるものを知る
そんな中でここ数年、ゲーム実況を見ることにすっかりハマってしまいました。
ゲーム実況の良さを伝えたすぎて、実況者別にnoteをまとめたくなるほどに。
そこで知ったのがインディーゲームという世界、そして「フリーホラー」というジャンル。
既存のゲーム制作アプリを活用すれば、プロでなくてもゲームを手軽につくることができ、それを無料で公開できるプラットフォームがある。そして、そうしたフリーゲームをプレイしたり実況したりするカルチャーがあることを知りました。
アマチュアだから、無料だから、質が低いわけでは決してなく、表現したい世界観やゲーム性などのエッジが効いていて、コンシューマー用ゲーム機でプレイできるビッグタイトルとはまた違った魅力があるんです。
そうしたフリーゲームの中心的なジャンルがホラーです。
なんでホラーなんだろう?って最初は思っていたのですが、いろいろみたり調べたりしているうちに、人の感情を一瞬で揺さぶる力のあるコンテンツとして結局ホラーは最強なんだと思うようになりました。他の定番路線として、お笑い、恋愛感情、かわいい!などもありますが王道はホラーではないかと思います。
そして、ホラーはホラーでもお化けが怖いもの、殺人犯が怖いもの、メンヘラ化した彼女が怖いものなど、その幅はとても広く、おそらくまったくフリーホラーをみたことがない人からすると「え、こんなものもホラーなの?」と驚くと思います。
たとえば、これはキヨさんのゲーム実況ですが、「お父さんとお母さん、どっちと一緒に暮らしたい?」だけでホラーになったりするわけです。
コンテンツは好きなのですが、本でも映画でもそこまでインディーコンテンツにはハマってこなかった私。けれどフリーゲームはコンテンツとしてもカルチャーとしても本当に面白くて。
気付けば膨大にフリーホラーのゲーム実況を摂取していました。
そして思うようになりました。
こういうの、私にもできないかな!?
他の創作ではなくフリーホラー制作がしっくりきた理由
なんでホラーなの?なんでゲームなの?と友人にこの取り組みを話した時に言われることがあります。
第一に、コンテンツとしての間口の広さ。
私は本を読むことが大好きですが、妙に高尚なものとして扱われる風潮はあまり好きではなく。
TikTokやYouTubeなどのお手軽なコンテンツが大衆受けする中、文字だけのコンテンツは私のような言葉フェチみたいな人にはいいですが、楽しめる人を限定してしまうところはあると思います。
同人誌のようなオタクカルチャー的な要素が強いものも、広く浅くインプットしたい私には敷居が高く、気軽に踏み込めない感じがありました。
一方フリーホラーは表現の仕方によっては、絵でも文字でも音でも楽しめるし、その合わせ技的なメディアであるというのにとても可能性と魅力を感じます。
そしてなにしろ無料でスマホやPCからプレイできるので、敷居の高さもなく、さらにいえば、自分でプレイできないときはゲーム実況でも見られます。
しかも翻訳さえできれば、海外に向けても一気に発信して広められる可能性もあります。
第二に、才能あるエネルギッシュで多様な人たちと繋がれそうなこと。
広報の仕事が楽しい理由もそうなのですが、才能とエネルギーにあふれる人たちが大好きです。
何か一つのジャンルというよりも、キャラクタービジネス、VTuber、ピクセルアートから音響まで何でも浅く好きなので、ゲームなら、いつかそんな方々とお近づきになって、力を合わせながら作品をつくるなんてことができるんじゃないかと思いました。
きっかけもありまして。
ホラーゲームをつくることに興味を持ちつつ、「怖い感じの交流会」という音楽や怪談や映画製作や絵を描くことなど多方面にわたって才能を発揮する人たちと集まる交流会に昨年、友人といったときのこと。
そこで何も創っていなかった私は自己紹介できることが何もありませんでした。
私が人見知りなせいももちろんあるけれど、当時のとてももどかしく無念な気持ちをとてもよく覚えています。
広報のサポートしてほしいって言われたら別ですが、広報の仕事だけしていても、ポッドキャストで思いを発信していても、そういう方のファン的な立ち位置にしかなれないんですよね。
一方、「フリーホラー」を作ってるって、それだけで創作仲間認定されるなどして、とても良い会話のきっかけになるんじゃないかと思ったのです。ずっとやっている人に対しておこがましくて恐縮なのですが。
(しかもジャンルとして怖い系のものが好きな人とも知り合えるし、スペシャリティとしてクリエイティブな活動をしている人とも話せる)
絵が描ける友達と意気投合してゲームづくりが加速
「実は、ホラーゲームがつくりたいんですよね」
私はそう思うようになってから、何人か周りの、それを言っても引かなさそうな人に、ホラーゲームがつくってみたいということを話してみていました。
そんな中で、
「それはいいアイディア!私もやってみたい!」
と本気で興味を持ってくれて、一緒にやりましょうと声をかけてくれたのがユニットを結成した彼女でした。
単にゲームづくりいいね!というだけじゃなく、どうしてつくりたいのか、ゲームをつくることの何が魅力的か、まで意見が一致したことをとてもうれしく思いました。
そこから何回かの打ち合わせ。
私がシナリオ案を作って持って行ったら、こういう結末やこういうディティールが加わるとより面白いのでは、とまるで自分事のように考えたことを説明してくれて、ティラノビルダーというゲームを制作するソフトについても勉強して何ができそうかを教えてくれました。
すごい!一人じゃ無理だったけど、二人ならできるかもしれない。夢が夢じゃなくなるかもしれない。
思えばポッドキャストだって一人じゃ無理だったけど、意気投合するパートナーが見つかることで一気に実現が現実味を帯びてきて、今となっては2年も続く活動になっています。
お互いに仕事も忙しかったので、土日に「もくもく会」を何回か設定し、とにかくどんなに他のことでバタバタしていてもゲーム制作に集中する1日を過ごしました。
いつもやらなきゃと思ういろんなことを抱えている日々の中でとにかくゲームづくりだけする日、というのはとても心地よい時間の過ごし方に感じました。
ゲームを発表するタイミングとしてKikizteのイベント『Kikizteショーケース』をゴール設定することができ、そこに出せるようにユニット名も考えました。
ユニット名決めるの、楽しかったなぁ。
そんなこんなで「そうだ、ゲームつくろう」と決めてから4ヶ月。ついに、ゲームがいったん完成しました。
いよいよお披露目。運営寄りでイベントに参加できるという大特典。
前回、何も自己紹介できることができなくて無念だった交流会。
今回はブースの設営のため、一般の方より早いタイミングで会場に入らせていただけました。
もう、何も話せない人じゃない、ばかりか、創り手としてご紹介いただける。
それだけで、もうすごい。
このチャレンジ意味あったなと思いました。
イベントが始まる前に人気怪談師さんがプレイしてくれるという奇跡も起きました(さらりとTRUE ENDにたどりついてて改めてリスペクト)。
イベントが始まってからもブースでプレイしてくれる人が何人もいて、私は初作品がプレイされてる現場に自意識が耐えられず、その場で頽れたりしてましたが(笑)、本当にこれまで感じたことのない感動がありました。
ローンチ後は周りの友人にも何人か経緯を説明してプレイしてもらったのですが、そこで感想をいただけるのも、とても新鮮な喜びがありました。
悔しさも残しつつ、第二弾に向けて企画進行中
正直、自分が理想としていたラインはまだまだ先というか、とりあえずゲームの体裁を備えてることに感動しつつも、できないことも、何が大変なのかもたくさん思い知った日々でした。
でも、スタートラインを切ったんだ、とも思います。
広報の仕事もポッドキャストの発信も最初は本当に、思うようなクオリティでできないことに凹みまくっていたことを思い出しました。
このコワーキングスペースというゲームの続きのイメージもあるし、新しいゲーム構想もあるので、何を優先して進めるか今は悩み中ですが、これからもぽんのうずとして活動を継続する予定です。
というわけで、こういうチャレンジ、もっとたくさんの人にしていただけたらなと記事を書いてみました。
そしてもしよかったら感想の声もぽんのうず宛にいただけるとうれしいです。ゲームページやSNSでお待ちしています!(フォローもしてもらえたらもっとうれしいです!)
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