林 将之 / Masayuki Hayashi

樹木図鑑作家・環境ジャーナリスト。1976年山口県生まれ・在住。千葉大学園芸学部卒。『葉で見わける樹木』(小学館)、『樹木の葉』(山と溪谷社)、エッセイ『葉っぱはなぜこんな形なのか?』(講談社)など著書多数。国内外の自然や環境問題を見て回り、植物図鑑や記事、SNS等で発信。

林 将之 / Masayuki Hayashi

樹木図鑑作家・環境ジャーナリスト。1976年山口県生まれ・在住。千葉大学園芸学部卒。『葉で見わける樹木』(小学館)、『樹木の葉』(山と溪谷社)、エッセイ『葉っぱはなぜこんな形なのか?』(講談社)など著書多数。国内外の自然や環境問題を見て回り、植物図鑑や記事、SNS等で発信。

マガジン

  • 植物観察会

    僕(林将之)が講師を務める植物観察会のご案内です。樹木を中心に、各植物の見分け方や特性、生態系などを解説します。毎月第3土or日に「沖花観察会」を開催中。

  • 麻里府のセンダン巨木

    山口県田布施町の名木「麻里府のセンダン巨木」が、公民館移設により伐採されようとしていました。私は町や住民に呼びかけ、地域のシンボルとして残すよう求めています。その経緯や最新情報を発信します。

  • 葉っぱで分かる沖縄の木々明解

    琉球新報の副読紙「レキオ」で連載した、沖縄の樹木の見分け方紹介記事

  • 学校の樹木トップ20

最近の記事

10/13・14 秋の北海道・札幌で樹木観察会やります

10月は北海道に行きます! 以下の2つの樹木観察会で参加者募集中なので、どうぞご参加ください。 いやぁ、秋の北海道に行けるのは嬉しいです。 実は北海道で観察会を開催するのは実は初めてです。3年前の7月も知床など道東に行き、ミニ講演会をやりましたが、観察会はしませんでした。秋の北海道訪問となると、9月下旬の大雪山へ日本最初の紅葉を取材に訪れた2007年以来かもしれません。その時は僕が訪れた9/25がちょうど初冠雪で、雪をかぶったクロマメノキなどの紅葉を撮影しました。最近の初冠

    • やんばる葉っぱカルタ 沖縄県国頭村で展示&販売開始!

       沖縄の代表的な植物46種を紹介した『やんばる葉っぱカルタ』が、沖縄県国頭村の道の駅「ゆいゆい国頭」にプレオープン中の展示施設「よっしゃあ国頭体験室」で公開され(実際に遊べます)、2024年8月からやんばる地域の道の駅や売店で発売されました。  このカルタは、国頭村教育委員会の相談を受け、植物図鑑作家の私・林将之が2023年に制作したものです。ただのカルタではなく、図鑑レベルの充実した解説&写真に加え、バトル対戦ゲームやパズルも楽しめ、国頭村の植物マップもついた、オリジナル

      • 田布施の名木・センダンは5−6mで切られることに。センダンの会 解散のお知らせ

         山口県田布施町にある麻里府のセンダン巨木は、麻里府公民館の移設により、高さ5〜6mで切ることに決まりました。これに伴い、このセンダンを守るために有志で活動してきた住民グループ「センダンの会」は、解散することにしました。センダンは、いつ切られてもおかしくない状況です。最後の勇姿を見たい方は、ぜひ現地に訪れて下さい。  この活動は、私たちの力不足もあり、不本意な形になりましたが、当初の完全伐採から5-6mでも残せることになった点は評価できますし、対応して下さった関係者の方々に

        • 5mで切る必要はない。巨木の景観を活かした「大きな木のある公民館」を

          その木は、畑のわきにポツンと生えた「名もなき木」でした。1970年代、木の近くに住宅団地が建設され、多くの子どもたちがこの「丸い木」の横を通って小学校に通いました。私もその一人でした。 その後、過疎化が進み、卒業生の多くは地元を離れていきました。私も離れていました。 小学校は2015年に廃校になりました。 でも、木だけはどんどん大きくなり、道路に枝がはみ出るほどの、見事な大木になっていきました。いつの間にか、町内最大、県内でも有数の樹冠(枝張り28m)をもつ、立派なセンダ

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        記事

          センダン巨木を高さ15mのまま残す要望書を提出

           故郷・山口県田布施町にUターンして半年あまり。私が子どもの頃から毎日見てきた麻里府のセンダン巨木の伐採計画の記事を初めて書いてからも、半年あまり。そのセンダンの運命が、近いうちに決まろうとしています。  田布施町は、2023年6月にセンダンの伐採を中止すると発表したものの、その後は幹を高さ2mで切ることを検討してきたのは、前回記事で書いた通りです。その方針が、10月24日に開催された、田布施町(町長、副町長、各課長らが出席)と麻里府地域の7自治会長との意見交換会で、初めて

          センダン巨木を高さ15mのまま残す要望書を提出

          目がはれる毒の木・ミフクラギ

           人は生きていく上で、危険なものを知っておかねばならない。車、海、火、ハブ、ハチなど。同様に、危険な植物も知る必要がある。沖縄を代表する有毒植物が、ミフクラギ(別名オキナワキョウチクトウ)だ。枝葉や果実を傷つけると、有毒の白い汁が出る。  これは友人の体験談。結婚式の出席で本土から沖縄に訪れ、ホテルの庭でテニスボールサイズの赤い実をみつけ、何の実だろう? と触っていたら、結婚式が始まりそのまま参列。感動して泣いてしまい、手で涙をぬぐうと、目の周りが赤くはれ、翌日は皮がむけた

          目がはれる毒の木・ミフクラギ

          麻里府のセンダン巨木 地上2mで伐採する方針に、ちょっと待った!

           今年5月23日の記事に書いた、山口県田布施町にある麻里府のセンダン巨木の伐採計画。その1週間後、筆者らの呼びかけが実って田布施町は伐採を中止し、センダンは残されることになりました(6月4日付 中国新聞、6月16日付 朝日新聞)。ただし、この時に中国新聞のインタビューに答えた田布施町長さんの表現は、「一部保存」でした。その言葉通りに、田布施町では10月現在、地上約2mの高さで幹を伐採する方針が検討されています。実質的に切り株だけを残す形です。  8月初め、センダンの幹に、白

          麻里府のセンダン巨木 地上2mで伐採する方針に、ちょっと待った!

          風ニモ 火事ニモマケヌ フクギ

          雨ニモマケズ 風ニモマケズ で始まるのは、詩人・宮沢賢治の遺作。フクギ(福木)の場合は少し違う。 風ニモマケズ 火事ニモマケズ  沖縄の古い集落には、フクギで囲われた民家が連なり、特有の並木風景を作っている。直立した幹に分厚い葉が密集し、縦長の樹形をつくる姿が特徴的。一見して見分けやすい木で、知名度も高い。  台風の常襲地帯で、強風や潮風から家を守っていることは想像しやすいが、実際には火事の延焼を防ぐ「防火樹」としての役割も大きかったといわれる。水分を多く含んだ葉が、深

          風ニモ 火事ニモマケヌ フクギ

          葉は車輪状、花は梅に似るからシャリンバイ

           鮮やかな花が多い沖縄でも、春の野山で目につく花は、清楚な白色が主流です。シャリンバイ、トベラ、エゴノキ、シマイズセンリョウなどがそうです。中でもシャリンバイ(車輪梅)は、海岸(石灰岩地)から山地(非石灰岩地)まで生え、公園や街路、防風林にも植えられるので、町中でも比較的よく出会える低木です。  名前は、葉が車輪状に集まってつき、枝先にウメに似た花が咲くため。沖縄ではウメの木がほとんど植えられていないので、シャリンバイを見てウメを連想してください。  沖縄方言では、ティカ

          葉は車輪状、花は梅に似るからシャリンバイ

          6/18 山口県田布施町で身近な役に立つ植物観察会

           5月中旬にUターンした地元・山口県田布施町の麻里府地区で、身近な植物の観察会を開催します。のどかな港町の集落周辺を歩きながら、雑草や庭木から身近な野山の植物まで、生活の役に立つ植物を中心に観察できればと思います。センダン巨木も観察します。 基本はFacebookで募集してますが、まだ空きがあるのでこちらでもご案内します。   日時 2023年6月18日(日)13時半開場     14~16時  場所 山口県熊毛郡田布施町麻里府公民館 (駐車場あり) 参加費 2000円

          6/18 山口県田布施町で身近な役に立つ植物観察会

          町内最大級のセンダン巨木、まさかの伐採計画

          郷里・山口県田布施町の麻里府地区にあるセンダン巨木。 幹周305cmと250cmは、環境省の巨樹・巨木林データベースによると山口県内のセンダンで第5位にあたる太さと判明しています。周囲に木や建築物がなく、珍しく整った孤立木なので、枝張り28mの樹冠サイズは田布施町内最大と思われます。 この木が、十分な調査や住民との議論、告知も行われずに、伐採されようとしています。老朽化した麻里府公民館を高台に移設するにあたり、このセンダンを含む約5000平方mの広大な敷地を田布施町は昨年

          町内最大級のセンダン巨木、まさかの伐採計画

          シカ激増で死の森と化す、日本の異常な生態系

          鹿児島県霧島山地の林内は、見ての通り、地上約1.5mより下にほとんど緑がない。シカが届く範囲の植物を全部食べてしまっている(ディアライン)。 えびのエコミュージアムセンターでは「霧島は九州有数の植物の宝庫です」とアナウンスが流れていたが、「だった」と訂正すべきだ。林床植生は、シカが嫌うハイノキばかりで、あとはコガクウツギやツタウルシ、シキミなどが少数で、貧弱&単調極まりない。つまり、鹿が嫌う忌避植物や毒草、トゲトゲの植物ばかりの歪んだ生態系だ。 高木には、優占種のミズナラ

          シカ激増で死の森と化す、日本の異常な生態系

          5/4 沖縄・国頭村で山野草探検ツアー

          世界自然遺産に登録された「やんばる」で、山野草をテーマにした第3回目のマルシェ(市場)が開催されます。会場は、沖縄本島の北部(やんばる)の国頭村にある、人口約200人ほどの与那集落。朝夕にはヤンバルクイナの鳴声が聞こえ、動植物の種類も豊富で、山野草を活かした村おこしに取り組んでいる地域です。 僕は、午前と午後の2回、場所を変えて山野草探検ツアー(植物観察会)の講師を担当します。食べられる山野草や初夏の草木を観察し、その特性や見分け方、森の生態系などを解説します。未舗装の林道

          5/4 沖縄・国頭村で山野草探検ツアー

          5/6 沖花観察会 in 読谷

           次回5月の沖花観察会は、ゴールデンウィーク中の第一土曜日に開催することになりました。場所は、世界遺産・座喜味城(ざきみじょう)の裏側にある公園です。ここには、知る人ぞ知る森の中の木道があり、ヒカゲヘゴが多数茂るやんばるの入口を堪能できます。この季節は、イジュやテッポウユリの花をはじめ、クチナシやコンロンカ、ホウライムラサキの花も観察できるでしょう。駐車場から公園内の広場や園路、木道を2キロ程度歩く予定です。歩きやすい格好でお越し下さい。  私事ですが、5月中旬に山口県に拠点

          5/6 沖花観察会 in 読谷

          広い木陰を作るモモタマナ(クヮーディーサー)

           駐車場にこの木が植えられていたら、ありがたい。枝を大きく横に広げて傘のような姿(樹形)になり、ちょうどいい木陰を作ってくれるからだ。テカテカした大きな葉が枝先に集まり、その中心にモモのタネの形に似た実がなる。  筆者は19歳で初めて沖縄を訪れた時、印象に残った樹形の木トップ3が、コバノナンヨウスギ、ガジュマル、そしてこのモモタマナだった。枝を水平面に低く長く伸ばすので、緑陰樹(木陰を作る木)に最適な面白い樹形だなぁ、と思ったものだ。  漢字で書くと「桃玉菜」(または桃玉

          広い木陰を作るモモタマナ(クヮーディーサー)

          4/16 沖花観察会 in 瀬底島

           次回4月の沖花観察会は、2023年4月16日(日)10時より、沖縄県本部町の瀬底島(せそこじま)での開催します。瀬底大橋で渡れば、そこは本島とは少し違ったのどかな世界。フクギ並木に囲まれた緑豊かな集落内を1〜2キロ歩き、御嶽や土帝君、湧水周辺の森や、道端の植物をゆっくり観察します。 沖花観察会 23年4月 「緑豊かな瀬底島の集落を歩く」 日時:2023 年 4月 16日(日) 10時〜12時 場所:瀬底島(沖縄県本部町) 集合場所:瀬底公民館(駐車場あり) 沖縄県国

          4/16 沖花観察会 in 瀬底島