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【食物アレルギー表示】同じアレルゲンは「省略」されるって知ってましたか?

食品パッケージのアレルギー表示を見ていて、こんなふうに思ったことはありませんか?

「小麦は醤油だけって書いてあるけど、本当に他には含まれないの…?」

実は、同じ特定原材料(アレルゲン)が複数の原材料・添加物に含まれている場合、すべてに「(○○を含む)」と書かなくてもよいというルールがあります。これを「重複アレルゲンの省略」といい、消費者庁が公表している『食品表示基準Q&A(E-7)』にも明記されている仕組みです。

本記事では、この省略ルールを知らないまま「醤油だけなら大丈夫」と思い込んでしまうことで起きるヒヤッとした実例も交えながら、分かりやすく解説します。



1. 重複アレルゲンの省略とは?

● 重複表示をまとめるルール

アレルギー表示のルールでは、同じアレルゲンが繰り返し登場するとき、いずれか1つにだけ「○○を含む」と書けば、それ以外では省略してOKとされています。

  • 例1:省略なし(フル表示)

    • 醤油(小麦・大豆を含む)

    • マヨネーズ(小麦・卵・大豆を含む

    • 酵母エキス(小麦を含む

  • 例2:省略あり

    • 醤油(小麦・大豆を含む)

    • マヨネーズ(卵を含む)

    • 酵母エキス


2. 「醤油だけ小麦?」と思い込みやすいヒヤッと事例

● 小麦アレルギーのAさんの場合

Aさんはコンビニのおかずを見て「醤油(小麦・大豆)とだけ書いてあるから、ほかの原材料には小麦は入っていないのかな?」と判断し、食べてしまいました。
ところが実際には、マヨネーズや酵母エキスなどにも小麦由来成分が含まれていたのです。アレルギー反応を起こしてしまい、幸い重症化は避けられたものの、ヒヤッとした経験になりました。


3. 見落としを防ぐためのポイント

  1. 「一度でも書かれているアレルゲンは、他にも入っているかも」と認識する

    • 醤油に「小麦」や「大豆」が書いてあれば、マヨネーズや酵母エキスなど別の原材料でその表示が省略されていることがある、と考えましょう。

  2. 原材料欄と添加物欄、最後までしっかり読む

    • 「大豆や小麦は書いていない」と思っていても、実は欄を分けて記載されており、そこでは省略されているケースがあります。

  3. 不安なときはメーカーに問い合わせる

    • 「小麦は醤油だけですか?」と聞けば、実際に他の原材料に含まれているかを調べてくれます。特に重度のアレルギーがある方は自己判断を避けましょう。


4. まとめ ~最終的な判断は個人の責任で~

  • 重複アレルゲンの省略は、表示をシンプルにする一方、「書いていない=含まれていない」と思い込みやすいデメリットがあります。

  • 一度でも表示に出てきたアレルゲンは、ほかの原材料で省略されている可能性がある点をぜひ覚えておいてください。

  • アレルギーを持つ方は、商品ラベルを最後までよく読んだうえで、不明点は遠慮なくメーカーへ問い合わせることが安全です。

【ご注意】
この記事は消費者庁公表の「食品表示基準Q&A(E-7)」を参考に、筆者がリサーチした情報をまとめたものです。最終的な食の安全に関する判断・対策は各自の責任で行ってください。特に重度のアレルギーをお持ちの方は、医師やメーカー、販売店にご相談いただくことを強くおすすめします。


▼ 参考リンク

「重複アレルゲンの省略」という制度を知っておけば、アレルギー対策の精度がグッと上がります。ぜひ日々のお買い物やお食事に役立ててくださいね。

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