幼少期に気づかぬ間に身につけた信念。例えば「人はいつか私を見捨てる」。それがあなたの人生を支配しているのです。では、どうすればよいのか?
●スキーマとはどのようなものでしょう?
スキーマとは、主に幼少期などにおいて周囲との関係から身につけた中核的信念の事を指します。具体的にどのような事を指すのでしょうか?
例えば親の情緒面が安定していなくて、「さっきまで機嫌が良いと思っていたらいきなり豹変したかのように激怒される」のような体験を繰り返し受けると「人は信用できない。いつか自分は捨てられるかも」などのような信念(スキーマ)を自分の内面深くに植え付けてしまうことがあります。
このように、人生において早い段階で身につける社会生活を送る上でのハンデともなるスキーマを、「早期不適応的スキーマ」と呼びます。このスキーマは、全部で18種類あると言われています。
●早期不適応的スキーマは人生においてどのように影響するのでしょうか?
例えば上記にも挙げた「人は私を見捨てる」などの早期不適応的スキーマを身につけたとします。このスキーマがあると、恋愛関係などにおいては「相手はいつか私から離れていく」などの思いが取れずに常に不安感や不信感に囚われてしまいます。相手から少しでもLINEの返事などが遅いと、いてもたってもいられないくらいに苦しくなります。相手の気持ちを常に確かめなくてはいられません。すると相手はその要求に段々耐えられなくなり破綻の道へとつながっていきます。このような関係は何度も繰り返されます。本人も今度こそはと思っても、そのスパイラルから抜け出せずにやがて自己嫌悪感などにも囚われて、時には薬物や摂食障害、自傷行為などに走ってしまう方もいます。これはほんの一例に過ぎません。このようにスキーマは様々な人間関係においてマイナスの働きを強いるのです。
●では、早期不適応的スキーマに対してどのように取り組めばよいのでしょうか?
スキーマに対処するためには、苦しくてもそのスキーマを獲得した時代に戻らねばなりません。といってもタイムトラベルをすることは出来ないので、意識だけを過去に向かわせます。簡単に言うとスキーマを獲得したと思われる時代の出来事、主に両親との関係を思い出して言葉にするのです。もちろん、お一人で苦しみながら話すのではなくカウンセラーとの対話を通して無理のないようにお話していただきます。繰り返し話すことによって、感情が段々と浄化されていきます。涙を流すなど感情を表に出すことによっても、その感情は癒されていきます。感情が癒されるという事がスキーマ治療にとって、とても大切なのです。また、身体の感覚に働きかけるフォーカシング(他の記事で紹介)療法もなど効果があります。
●健康的なスキーマを探して上書きしてみましょう。
ある程度、早期不適応的スキーマによる圧力が減少してきたら、今度はそれに代わる健康的なスキーマを探してみます。これはクライエント(相談者)が自分にとって納得できるものである必要があります。これからはどのように生きていきたいのか?カウンセラーとの対話を通して自分自身に語り掛けながら見つけていきます。例えば、「人は私を見捨てない」と無理やり思い込もうとするのではなく、たとえ離れていく人がいたとしても私の事を大切に想ってくれる人もいる、私は決して一人ではない、「もっと自由に、私は私の人生を生きていい」スキーマなどのように。自分が明るくハッピーになるようなスキーマを身につけていきましょう。
スキーマと向き合う心理療法は根気のいる作業ではありますが、あきらめずに丁寧に向き合っていくことで、新しい生き方への扉が開かれていくことでしょう。
スキーマに向けてのカウンセリングに関心のある方や、何らかの生きづらさを抱えている方は、お気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問合わせいただけましたら幸いです。あなたの心が癒されますように。
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