記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレ感想部】「侍タイムスリッパ―」順応性の勝利

「カメラを止めるな!」と似た動きをしている作品があると聞き、「侍タイムスリッパ―」を観に行ってきました。
いや~、涙あり・笑いあり・サムライありの素敵な作品でした。
相変わらずのネタバレ感想になります。




主人公含む登場人物の「順応性」の勝利

突然サムライが家の前にうずくまっていて、保護して看病して居候させることはできますか?私はたぶん通報しちゃいます。
そんな感じで、この映画の登場人物はすべて目の前の人物や事象に対する「順応性」が素晴らしいのです。しかもあまり違和感がなく。
特に笑ったのは、映画の撮影を本当の喧嘩だと勘違いした主人公が「助太刀いたす!」と入り込もうとして、撮影の邪魔をしたとき。
サムライなので持つのは真剣。真剣を構えたホンモノのサムライに対し、監督が「なにやってんだーー!!」と怒るところ。台本を丸めて、真剣(監督は真剣とは知らない)をパシコーーン!と叩いたところで、館内が笑いで包まれました。
ただ、順応性といえども、主人公のそれは「そうせざるをえない」状況下の中であるため、受け入れるのにとても苦しむところに関しては、涙を誘いました。会津藩藩士である点が、より泣けます。

「日の本は良い国になった」のか?

現代にタイムスリップしたサムライが保護された先は、お寺。お寺の住職夫婦がとても親切に接する中で、おやつに出たショートケーキを食べたとき。
「こんなものが食べられるようになって、日の本はとても良い国になったんだ…」とサムライが話す場面では、なんだかこう、胸が痛くなるような、悲しいような、複雑な気持ちになりました。
この国は、本当にいい国になったのかな?
選挙にはいかなきゃな。

タイムスリップしたのは一人だけじゃない

時代劇の切られ役としてその名を轟かせていた主人公のサムライに、大きなプロジェクトとなる時代劇作品(映画)の準主役の声がかかります。
そんな大役はできない…と断ろうとする中で明かされる、新事実。
なんと映画の主役は、タイムスリップしたときに刃を交えていた敵方のサムライだった。しかも、自分よりも10年以上前の時代にタイムスリップしていた…このカラクリ、うなりました。確かに、戦っていた相手方はどうしたんだろう?となるところを、まさか別の時代に行っていたなんて。
さらに、まさかその時代が交差することがあるなんて。
この映画の撮影をめぐって、二人が過去のトラウマなどを乗り越え、それでもしぶとく生きていこうとする姿は、時代に翻弄された一人ひとりとして哀しく映るものがありましたが、でも応援したくなるものでした。

真の悪者がいない

この作品、真の悪者がいません。
誰かを蹴落とそうとしたり、足を引っ張ったり、傷つけたりする人がいない。みんな、自分の仕事に一生懸命で、目の前で困っている人がいたら助ける、人として「こうありたい」と思える人ばかりでした。
観ていて、心が荒むことがない、また観たいと思える作品。
出会えてよかったです。

エンドロールまで絶対にみてほしい

これはマストで。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集