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自分のことがちょっと好きになれた~Buddy’s Voice vol.7:飯塚杏奈~

2020年3月に立ち上がったWe are Buddiesプロジェクト。

このプロジェクトでは、子どもと大人ボランティアがバディとなり、オンライン・オフラインで、遊んだり、話したりしながら、細く長い関係性を築いていく。バディとなった2人は、月に2~3回、オフライン/オンラインで 時間を過ごす。対象年齢は、5~18歳。保護者の方だけが子育てを頑張るのではなく、多くの大人が関わり、登場人物みんなが力を抜いて、優しい気持ちになれる社会を目指すべく、立ち上がった。

このプロジェクトには、大人ボランティアの存在が必要不可欠だ。今年度にボランティア(バディ)として参加しているメンバーたちは、このプロジェクトの土台づくりにも積極的に関わっている。バックグラウンドも得意分野も異なるバディたちが、なぜWe are Buddiesに参画し、どんな経験をし、これを通して何を実現しようとしているのか。バディたちにインタビューを重ねながら、発起人の意図とは別のところにある、バディにとって、子どもにとって、社会にとってのこのプロジェクトの意義を探求していく。そんなバディたちの生の声を "Buddy's Voice" にて届けていく。

第7回となる今回は、Buddy’s Voice vol.6でインタビューを受けた西角綾夏がインタビュアーとライティングを担当した。

インタビューを受けてくれたのは、飯塚杏奈さん。現在社会人2年目の杏奈さんは、新卒1年目のタイミングで代表の加藤愛梨さんからお話を聞き、We are Buddiesの活動に参加したそうです。今は、小学校1年生の女の子Eちゃんと月に2回基本はオフラインで、思いっきり外遊びを楽しんでいます。普段はバディ同士の定例ミーティングでよくお喋りするものの、リアルで会うのは初めての貴重な同い年の存在。バディメンバーの1人が拠点にしている可愛いガーデン風のビルの屋上で、和気あいあいとインタビューを行いました。

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家族でも先生でもない大人の存在

バディを始めたのは、発起人の愛梨さん経由。お話を聞いたとき、「子どもにとって家族でも学校の先生でもない、大人になれる」という考えにすごく共感したんだ。私は小中学校であまり周りに馴染めなかったんだけど、英会話塾の先生や習い事にいる大人の人たちが話し相手になってくれて、すごく嬉しかったんだよね。そこで自分をさらけ出せた。だから、私もそういう存在になりたいなと思って、バディを始めたの。

あと、もともと大学生まで英語の先生になりたくて教育実習で子供たちと関わる機会もあったけど、正直距離を縮めるのが難しくて何を考えているか深く知る事が出来なかったんだ。同世代や年上の人とは意思疎通がしやすいけど、子どもたちの頭の中って未知の世界だし、彼らが何を考えているか単純に興味があった。丁度お話を聞いたときはコロナでお仕事のお休みが多くなってしまっていたこともあって、これもご縁かなと思って始めました。

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新しい価値観との出会い、つながり

普段のお仕事も全力だけど、Eちゃんと過ごす時間も全力。お仕事やスマホは全部忘れて、Eちゃんと全力で向き合う時間はすごく大事な時間です。Eちゃんとの会話は新鮮で楽しい。友だちとのお喋りは、年々結婚か仕事か今後の人生どうしよう、など話す内容がいつも同じになってきて、つまんないなと思ってしまうときがあるんです、わたし(笑)。そうではなく、違う価値観の人と関わり合う時間が必要だなと思っています。

バディをやっている人はみんな面白くて、つながりができることもバディの醍醐味かな。みんな多様で面白いけど、芯にもっている何かは同じ方々が集まっている。バディのコミュニティに入ったときも初めましてという感じがあんまりしなかった。その人の芯にある思いなど自分との共通点があるから、喋りやすくて。「いいなあ、この関係性。」と思いながらやっています。

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自分のことがちょっと好きになれた

正直、わたし人と関わるのがけっこう苦手なタイプなんです。浅く関わることはできても、深く人と関わることや長い時間を共に過ごす機会は少なく、なかなかできることではない。

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バディの活動を通して、人と人との一対一のつながりやコミュニケーションを大事にできないと対人関係って上手くいかないんだなと学ばせてもらいました。小1の女の子に教えてもらうことが本当にたくさんある。Eちゃんは人見知りしないから、最初も「お姉ちゃんに会えるの待ってました!」という感じで迎えてくれて、すごく関わりやすかった。年下のEちゃんに出会って関わることで、自分をさらけ出すことができたし、自分のこともちょっと好きになれたかな。

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目の前の人に集中し、その人だけを思う

出会ったときのEちゃんは保育園生で、徐々に名前を覚えてくれたり、自分から手を繋いでくれたりするのがすごく可愛くて嬉しくて、、、もちろん最初は勢いがよかったけど、たまにお母さんの後ろに隠れたり、一個一個ステップを踏まないと信頼してもらえない様子はあったから、徐々に距離を縮めていけるように意識したかな。もてなすのではなく、「一緒に楽しもう!」という気持ちがないと、多分Eちゃんは気付くだろうなと思って。会っている時間はEちゃんとわたしのための時間と思って過ごしています。

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Eちゃんはちゃんと大人だし、わたしよりもいろんなことに興味があって賢いし、すごいなと思う。わたしはいつも目の前の人に集中することを同世代の子と会っているときも意識していて、Eちゃんに対してもそうしたいなと思っている。

せっかく会ったのに、他のことを考えていたり携帯いじったりというのは、相手が誰であっても失礼かなと思って。自分が喋っているときに友だちや家族がそうしていたら、ちょっと傷つかない?わたしも同じことをやっているかもしれないなと気付いたときに、それは辞めようと思って。せわしない毎日だから、時には目の前だけに集中することも大事だな〜と。

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子どもらしさを見つけ、互いを開く

Eちゃんもまだ素を出し切っていないところもあるようで、わたしの前では「お姉さんでいたい」とか「いいところを見せたい」という気持ちがあるみたい。もう少し距離を縮めて素のEちゃんも見れたらいいなと。今はそれを目標にバディをしています。

できるなら、ワガママ言ってるところも見たいし、私はEちゃんがワガママを言える存在でありたいな〜と思う。でも、それを全部聞いてあげる人にはならないように、ちゃんと対話してある程度は線を引いて関わりたいなと思う。

Eちゃんはすごく大人びてるけど、子どもっぽいところも絶対ある。その子どもらしさを解放するのが、普段一緒にやっている縄跳びとか鬼ごっこなのかな。今のEちゃんは、「楽しい」や「ワクワクする」といった気持ちが多いと思うけど、これから人間関係で悩んだりすることもあるかもしれないそうしたときに話し相手になりたいな。普段はできない鬼ごっこなどを思いっきりやれるような、Eちゃんが子どものままでいれる関係や時間をずっとつくりたいなと思っています。

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(編集後記)
いつも柔らかく朗らかな杏奈ちゃんの背景には、目の前の人に対する誠実さがあったのだと今回知ることができました。どれだけ年齢が離れていようと真っ直ぐ向き合うEちゃんとの関わりは、まさにWe are Buddiesが大切にしたいフラットな関係性そのもの。
バディ活動での出会いを通して、自分を解放していく杏奈ちゃんはとってもキラキラしてエネルギーに満ちていました。これからの二人の人生が楽しみです!!

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INTERVIEW & TEXT :西角綾夏
PHOTOGRAPH:清水陽子
EDITING:加藤愛梨

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