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黒字なのに希望退職を募集する理由

東京商工リサーチの調査によると
2024年1~8月における上場企業の「早期・希望退職者」募集
4月23日時点で7104人で
前年の同時期に比べて急増しているそうです。


上場企業の「早期・希望退職」募集状況
東京商工リサーチ「2024年1-8月上場企業『早期・希望退職募集』状況」より


希望退職で退職者が予定人員に達しなかった場合、解雇回避努力を尽くしたとして、次は整理解雇に踏み切るかもしれません。整理解雇になると割増退職金や再就職支援などの優遇措置は受けられず、どちらが有利であるかは明らかです。


さらに損益別の統計によると
募集人数の78%が黒字企業によっています。

損益別「早期・希望退職」の募集人数
東京商工リサーチ「2024年1-8月上場企業『早期・希望退職募集』状況」より


黒字なのになぜ希望退職を募集するのか?


それは企業を存続させるための全社戦略なのです。

現在、多くの企業が市場の縮小に悩み、会社存続のための戦略が必要となっています。その中で、求められているのがDXです。中核事業をDXし、そのための人材は外部から調達する。もしくは特定の職種に投資し、社員に必要なスキルを身に付けさせる。その結果、不要となる既存職種の人員を減らすという動きが希望退職ラッシュにつながっていると考えられます。

ITmedia


事業を大幅に変革するのは、赤字に転落してからでは無理です。そのため黒字企業による希望退職募集が増えてるのだと。

DXと相性のいい業種は、ある程度限られています。その例が、電機・機械や情報・通信業です。2024年に早期・希望退職を募集した企業の半分近くをこれらの業種が占めています。このことからも、背景には中核事業の転換があると思われます。

Itmedia


業種別「早期・希望退職」の募集企業数
東京商工リサーチ「2024年1~8月上場企業『早期・希望退職募集』状況」



定年まで勤められない


いま属する業界次第では
この前提のもとキャリアプランを立ててみる必要性を感じました。

また会社単位だけでなく
私たち個人も事業転換の可能性を念頭に置いて将来設計をすべきとも。

・自分が身を置く事業は成長分野なのか?
・リスキリングの先に必要とされる人材として需要はあるのか?

大切なのはこの2点ではないでしょうか。




\ 本日も読んでいただきありがとうございました /

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1on1とキャリア自律の専門家
八木美和@社外メンター

毎週月・水曜日17時投稿

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