寂しいだけじゃ全くない。楽しかったね、だけでも終わらない。そんな滞在だった。(家族移住体験:鹿嶋市#6完結)
滞在最後の夜
千葉に帰る前日の夜。
すーちゃんが、
「明日の午前中、もしよければどこか案内しますよ」
と提案してくれた。
「まだ帰りたくない」「すーちゃんも流山においでよ」とジメジメする娘の粘りが効いたのか、午前中をあけてくれたようだ。
色々考えた結果、東西南北に位置する鹿島神宮の4つの一之鳥居をすーちゃんの案内で巡らせてもらうことに。
ずっとすーちゃんと遊びたかった娘と息子は、ドキドキしてなかなか寝付けないようだった。
帰る日の静かな朝
朝。
この数日で、子どもたちは布団のお片付けに慣れてきた様子。
長年住んでいる自分の家かと思うほどミニカーやシールなどがその辺に散らばっていた部屋も、今日は綺麗に片付ける日。
今日の朝食は、分かりやすく静かで寂し気だ。
メニューは納豆と卵かけご飯とお味噌汁と梅干とサラダと柿とりんご。(残り物全部)
あーあ、寂しくてあんまり食べられないよ、と言いながらこの全てを食べ切った4人。
いざ鳥居コンプリートへ
帰る準備ができたら、すーちゃんを車に乗せて鳥居巡りへ!
これまではなんとなく参拝していた神宮や神社。鳥居についての知識も皆無だ。
だけど、こんな風に身近な誰かに説明してもらうことで鳥居の持つ意味や形、神宮や神社の歴史に興味が湧いてきた。
東の一之鳥居は海の堤防前に!
西の一之鳥居は湖の中に!
南の一之鳥居は息栖神社にあった!
北の一之鳥居は森の中に。
遊びながら東西南北の鳥居を巡る。
子どもたちも、鳥居の前で見よう見まねでペコリと頭を下げる。
東西南北の一之鳥居をコンプリートし、気づいたらもう帰る時間。
いよいよ帰る時
これらは鹿嶋市のお土産の一部。
この「我は勝つ」という日本酒は、鹿行産五百万石を100%使用した純米原酒。
「武甕槌大神の御力がみなぎる鹿行のパワーで、挑戦する人たちを鼓舞し応援したい」という祈りを込めて醸した辛口の純米原酒だそう。
縁起が良くて、思い出深くて、もったいなくてなかなか飲めなそうだな。
(と言いながら、お正月には飲み干しそうだ)
流山の、そして各地方のお土産を持ってまたここに帰ってこようと思う。
寂しいけれど、夜逃げのような量の荷物を車に詰め込む。
帰れる場所を増やしていきたいと思って始めた暮らす旅。
私たちにとって鹿嶋はまさにそんな場所になった。
誰かに、いいところだよ、来てね、と宣伝したくなるまちだ。
流山の自宅に着く。
近所の方と「最近寒いですね」と挨拶をする。
到着するやいなや戻ってきた流山でのいつもの日常に安心感を覚える。
荷物を解く前に、
「まずは少しゆっくりしようよ」
と夫がコーヒー2つと温かい牛乳を2つ用意してくれた。
娘が「すーちゃんは今向こうで何を飲んでいるのかな」と言う。
寂しいだけじゃ、全くない。
楽しかったね、だけでも終わらない。
また会いたい人も、また行きたい場所も、まだまだやりたいこともある。
釣りもしたいし、鹿島アントラーズの試合もまだ観戦していないし、美味しそうなジェラート屋さんやパン屋さんやハンバーガー屋さんもまだまだある。
とりあえずいったん帰ったが、でもまた鹿嶋にも帰るんだろう。
場所が違うだけで、日常は変わらない。
暮らす旅の続きは、また1月に。
次は、外でのリモートワークはもっと快適になるように工夫しなくちゃな。
つづく。
鹿嶋市で出会った皆さん、ありがとうございましたー!また近々…!